ハロースクール、バイバイ (彩の国さいたま芸術劇場 大稽古場)


7月28日(金)に、彩の国さいたま芸術劇場 NINAGAWA STUDIO(大稽古場)で、ワークショップ公演

「ハロースクール、バイバイ」(作・演出:藤田貴大)

を見た。

18時開演。

上演時間は、1時間30分となっていた。

この公演のチケットは、いったんは完売になったものの、その後また販売され、公演のスタート時点では、千秋楽を含めた全ステージで購入可能になっていた。

なので、おもしろかったら、もういっかい見ようと思いつつ観劇に臨んだが、・・・私の好みには合わなかった。

キャストの一所懸命さが伝わって来るだけで、舞台そのものとして、おもしろくない。

出演者は春休みにオーディションで選ばれた12名で、女子が10名、男子が2名。下は中学生から、上は大学生、とのこと。

女子が演じるのは、かもめ中学のバレーボール部員9名とマネージャー1名、男子が演じるのは、同じ中学のサッカー部員と新聞部員。

床がステージの平舞台で、上手、下手と、奥には椅子が置かれていて、それらの椅子が演技をしないキャストの控え席になったり、バレーボールの試合のときのベンチや応援席にもなる。

客席は、ひな壇状に設置。

開演と同時にバレーボールの試合が開始され、試合終了後に終演となる。

バレーボールの試合は、ボールのないエアーバレーボールで演じられ、味方(かもめ中学側)のコートだけがえがかれる。

バレーボール部員のユニフォームには背番号があるが、マネージャーの背番号は「m」だった。

バレーボールの試合の合間に、部員たちの、あるいは男子生徒も加わっての、部活や学校生活のエピソードが回想のかたちで演じられて行く。それらのエピソードは、マームとジプシー(あるいは、藤田貴大 作・演出)の舞台ではおなじみらしいリフレインという手法で、客席からの角度を変えて同じシーンが繰り返される。

その同じシーンの繰り返しが、あまり効果的とは思えない。

これ、といった重要な、ひとつかふたつのシーンを繰り返すのならばともかく、あんなにいくつものシーンを繰り返すのなら、もっと他のエピソードを詰め込むか、繰り返しを少なくして上演時間を短くするほうがよさそう。

セリフをしゃべるときに、無駄に身体が動いたり手振りが付いたりと、話すときのくせがそのまま出ているような出演者がいたり、歩き方にぎこちなさが目についたりと、キャストの素人っぽさがそのままにされているようなところが、やけに気になった。

演劇経験者といえるような出演者もいるはずなのに、未熟なほうに目が行ってしまう、みたいな。

演じる側の真剣さに反して、リアルには見えないエアーバレーボール。そのボールのないバレーボールにキャストの身体が酷使されている感じがあって、そこにライヴなインパクト。