少女劇団いとをかし 第二回公演「ともだちの数え方」(ラゾーナ川崎プラザソル)


少女劇団いとをかし第二回公演「ともだちの数え方」(脚本・演出:近藤キネオ)

過去ログのこれ(→http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20141213/p3)を、先日見たので、少々の雑感。


昨年の第一回公演のときは、2日間計4回のチケットがすぐに売り切れたが、今回は、最後の4ステージ目以外は、ギリギリまでチケットは残っていた。私が見に行った回は、当日券も出ていたし、空席もあったが、これは、第一回公演に較べて出演者の数が少ないということもあってなのかな?

パンフレットは、カラー表紙込み8ページで、1000円。(第一回公演よりも値段も倍だが、ページも倍)

上演時間は、本編(カーテンコールまで)が約80分。


ステージ上の「場」は、八王子の中学校の3学期、ある日の放課後の美術室。美術の補習の課題としてのデッサンを仕上げるために、6人の3年生の女子生徒が、三々五々集まって来る。そのうちのひとりは卒業も近いのに転校して来た女の子、3人は元ソフトボール部のバッテリーとマネージャー、ひとりは高校入試が間近に迫っていて、もうひとりは地元のローカルアイドルグループのメンバーだ。さらに美術室には、ちょっと変わった美術部員の女の子が居ついている。そこに、ソフト部の後輩バッテリーの乱入があり、入試の発表で合否が分かれた同級生ふたりをどう迎えるかのドタバタがあったりする。そして、美術の女性教師は、仕事よりも恋愛に夢中で、やたらとケータイをかけている。

固定されたひとつの「場」を設定して(今回のように学校の教室だったり、たとえばどこかの広場など)、そこに集まる何組かのひとたちの人間模様や、出会いやすれちがいを、移ろい行く時間とともにえがくという手法は、演劇では割りとよくある。扱われるエピソードとともに、登場人物たちの関係性や、舞台への出し入れがポイントでもあるが、この「ともだちの数え方」は、そのあたりがけっこうおもしろく創られていた。
演じるメンバーの魅力が感じられると同時に、どこかしら舞台には思春期の女の子たちのとらえどころのなさが漂っていて、そこがお芝居の虚実と相俟ってのおもしろさになっていたと思う。

最後の大会で故障を隠して投げ続けてボロ負けしたソフトボール部の元エース(長城祝華)と、バッテリーを組んでいた元キャプテン(坂井仁香)の間で続いているわだかまりを、なんとか修復しようとする元マネージャー(鮫島彩華)。…というこの3人のエピソードが、なかなかよかった。

演出家がパンフレットにそう書いてもいるし、カーテンコールでは真ん中に立っていたから、鮫島彩華さんが主役ということだったのでしょう。よく気がついて、おせっかいをしても憎まれない役柄に、ぴったりハマっていて、キャストのなかでは声が通るし、場面をリード出来る力があるのだなぁ、と思った。

美術部員の女の子(辻野かなみ)は、開演のときは板付きで、幕切れでもひとりだけ舞台にいる役。

ぴきりん(小泉遥香)の口パクが、おもしろかった。

瑞城さくらちゃんて子は、劇中は本舞台への登場はなくて、客席通路で電話を受けてのセリフがあるだけ。開演前に、客席を通って後ろへ行って、そのままはじまったので、客席通路から出ることは予想されたが、出演がワンシーンだけで、しかもセリフは、ゾウさんはもっと好きですの松本引越センターCMネタ。

ネタといえば、セリフに織り交ぜられる懐かしのプロ野球ネタは、意外と効果的だった。カープの達川のコンタクトとか、そのあたりは、私の世代ならジャストミートする。

最後は、中学生役のキャスト11名で「校歌」がうたわれて、ここでマイクを持ったのは、ソフト部の新旧バッテリーの4人(坂井、長城、永坂真心、吉川ひより)。

今回は、公立の学校ということだったからなのか、女の子たちのソックスとかハイソックスとかが、キャストそれぞれにちがえてあった。


ところで、目黒とエグザイルって、あれは何なの?笑ってるお客さんもいたけど、何がおもしろいのか、全く分からなかった。(謎)

なお、少女劇団いとをかしの第三回公演は、9月5日(土)、6日(日)で、会場はアルテリオ小劇場と発表されている。