通し狂言 金門五山桐−石川五右衛門−


昨日の日曜日に、国立劇場大劇場で、

3月歌舞伎公演 花形歌舞伎

通し狂言「金門五山桐(きんもんごさんのきり) 石川五右衛門
 〜中村橋之助つづら抜け宙乗り相勤め申し候〜

を見た。

公演プログラム、700円。

30分と10分の幕間込みで、上演時間が3時間20分は、短いなぁ…と思ったら、前回の上演(昭和51年)から台本がかなり改訂されたらしく、子役の禿が出ていなかった。

この芝居の禿は「吉野」と「富弥」で、珍しい役名だと思い、楽しみにしていたのに、出ないと分かって、観劇意欲が減退。

が、坂東やゑ亮さんが出演すると知って、気分が持ち直す。

今回の「金門五山桐」の座席割りは、通常の歌舞伎公演では1等B席の位置が2等席になっているので、宙乗りが見やすかろうとて、その2階席を買っていた。で、開演前、2階へ行こうと、エスカレーターに乗ったら、つんのめりそうになった。いつから、国立劇場エスカレーターはこんなに動きを遅くしたのか(最近、エスカレーターの動きをゆっくりにするところがあるらしいけれど、動きが遅過ぎるのは、かえって危険でもある)。


中村橋之助が、石川五右衛門に加えて、五右衛門の父・此村大炊之助を二役で演じることで、五幕の全てを主役として一貫させたつくりが、いい。

つづら抜けから宙乗りで引っ込んだ石川五右衛門が、抜け道の場を挟んで、大詰めでは宙乗りによる出。つまり、花道の上を宙乗りで往復する。

若い役者を楽しめる一座で、坂東亀三郎の活躍と、中村種太郎の好演が印象深い。岸田民部(種太郎)は、洛中の政事を担う重臣にしては若いが、見た目の若さをそれらしい声を使って中和していたのが、上手いと思った。


この芝居で、坂東やゑ亮を名乗った波多野祥英くんを、はじめて見た。見た目は少年の趣きで、まだまだかわいい感じ。

大仏餅屋の場で中納言の乗り物を持って花道から出て来る仕丁では、本舞台下手で少しの間控える場面あり。大詰は、立ち回りの組子で、槍を持つ(幕切れにも出る)。




ところで。地下鉄・永田町駅から国立劇場まで歩く途中に、平河町森タワーというビルが出現していた。12月に出来上がったらしい。どんなビルかと思ったら、オフィスとマンションで、お店屋さんが入るようなビルではないのね…
http://www.mori.co.jp/projects/hirakawacho_2chome/