小林幸子特別公演「かあちゃん」/「'10華麗なる幸子の世界」(3月、明治座)


3月2日に、明治座で、

小林幸子特別公演「かあちゃん」/「'10華麗なる幸子の世界」

を観劇。

この日、初日。12時開演、終演は3時15分頃。

公演プログラム、1000円。

上演時間(タイムテーブル)や、「かあちゃん」に出演の子役については、すでに書いたとおり。
 →http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20100305/p4


明治座では2度目となる小林幸子座長公演は、とにかく盛況。今年1月、2月の明治座初日と較べると、開演前や休憩時間の活気がすごい。

2008年の小林幸子特別公演は、御園座がスタートで明治座は最後だったが、今年は、明治座からのスタートになるので、まさに初日の醍醐味であった。

1階客席は、中央ブロックの最前列、1列17番〜28番の座席が、なし。歌謡ショー「華麗なる幸子の世界」で、座長さんが垂直に上昇する装置が埋め込まれているために、その部分がやや張り出している。前回(2008年)公演は、花道に埋め込んだ「ハイパークレーン幸子」が呼び物のひとつだったが、それに替わるものだ。


かあちゃん」(作:藤井清美、演出:堤泰之)は、終戦の翌年から東京オリンピックの頃までを時代背景に、浅草の定食屋の店主(かあちゃん)を主人公にした人情もの。昭和の薫りと喜劇シーンを織り込みながら、戦後すぐの混乱期に泣く泣く幼い息子を養子に出したかあちゃんと、成長したその長男とが再会(和解)するまでを、下町の人々との交流のなかにえがく。

親子の絆で泣かせるという旧いタイプの芝居だが、客層にはぴったり。こういう芝居を、素直に楽しめるようになった自分も、年を取ったものである。


「'10華麗なる幸子の世界」(構成・演出・イリュージョンデザイン:デューク松山、振付:麻咲梨乃)は、回り舞台や迫り、舞台機構を存分に使った演出が、うれしい。迫力のある映像(LEDビジョン)には、びっくり。

2008年にも登場した巨大エスカルゴが再び、と思いきや、色が変わっている上に、設定も変えて今度は深海、という趣き。2008年公演ではカラーガードスタイルで見せた「もしかして」をスパニッシュバージョンにしてあるなど、同じものは見せないといわんばかりのサービス精神が、すばらしい。

また、小林幸子のうただけでなく、ショーダンスの面白さを、たっぷり見せる振付も、いい。「泣かせ雨」では、宝海大空女形舞踊が付く。ラストの曲では「メガ幸子」の出現になるが、その前のつなぎは、メガ幸子のメイキング映像。


ところで、「白いゆげの歌」のプロモーションビデオが、なんともノスタルジックで、やけに郷愁をさそわれた。じっさいには、あんな体験はないはずだけれど、それでも懐かしい、と思わずにいられない「白いゆげの歌」。


ヨミモの小林幸子インタビューは、読み応えがある。
https://yorimo.yomiuri.co.jp/csa/Yrm0402_C/1221748522497