歌舞伎座 七月大歌舞伎の子役など


歌舞伎座 七月大歌舞伎(3日初日、27日千穐楽)は、

昼の部が、

市川右團次の曽我五郎で歌舞伎十八番の内「矢の根」

市川海老蔵の梅吉・道玄、市川中車が松蔵の「加賀鳶」。女按摩お兼で、右之助改め二代目市川齊入襲名披露。

市川海老蔵の親獅子、坂東巳之助の仔獅子で「連獅子」

夜の部は、

竹田治蔵 作、織田紘二 補綴・演出、石川耕士 補綴・演出、川崎哲男 補綴・演出、藤間勘十郎 補綴・演出

通し狂言「駄右衛門花御所異聞(だえもんはなのごしょいぶん)」
  〜市川海老蔵 堀越勸玄 宙乗り相勤め申し候〜


出演の子役は、

[昼の部]

「盲長屋梅加賀鳶」〜本郷木戸前勢揃いより赤門捕物まで〜

丁稚 三太:市川福之助

小按摩 寒竹:市川福丸

[夜の部]

秋葉権現廻船語 駄右衛門花御所異聞」

白狐:堀越勸玄


7月5日(水)に、昼の部を観劇。

11時開演で、終演は、午後2時57分ぐらい。

今月は、昼・夜どちらかを見るつもりでいたところ、訃報もあって、親子宙乗りがある夜の部は、チケット難が発生。昼の部は、前日や前々日あたりに戻って来る席をねらえば、いつものように希望の席種が取れたので、この日の観劇となった次第。

そもそも、ふつうに子役を見たいと思うなら、昼の部の「加賀鳶」ってことにはなるのかな。

思えば不思議なのだけれど、「加賀鳶」って、子役が出演する、道玄が主役の幕をこれまで見たことがなかった。私が歌舞伎を見るようになってからでも、「加賀鳶」は、東京の劇場だけでも、6、7回は上演されたはずなのに、どうしてだろう? でも、福之助くんの丁稚三太が、「加賀鳶」の丁稚の初見というのも、それはそれでよいかも。

「加賀鳶」の質見世伊勢屋の丁稚って、「白浪五人男」の浜松屋の丁稚と、「河内山」の上州屋の丁稚を合わせたような役なのだね。最初に番頭をからかうセリフがあったり、「ゆすり場」では出入りの鳶職(日蔭町松蔵)を呼びに行ったりする。浜松屋の丁稚ほどすること(茶を出したり履き物を揃えたり)はないけれど、「加賀鳶」の丁稚は、舞台での居どころ(座っている位置)がいいので、席位置によって見えないということもないし、舞台にいる時間も長い。

ここに、福之助くんの丁稚が写っている舞台写真あり。
 →http://www.kabuki-bito.jp/news/4166

市川福太郎くんは、昼・夜ともに出演。

昼の部は、「加賀鳶」の赤門前のだんまりでの手先。捕り手のひとりだが、道玄との絡みでは笑いを誘うおいしい役。夜の部は、筋書の配役によると、天狗。


なお、夜の部で話題の、「駄右衛門花御所異聞」の親子宙乗りは、終幕(大詰)ではなくて、二幕目。

「駄右衛門花御所異聞」は、「秋葉権現廻船語(あきばごんげんかいせんばなし)」をもとにしているというから、ベースになった台本は、2011年に前進座が上演した「秋葉権現廻船噺」と同じということだよね。