バレエソフィア「胡桃割り人形」(全幕) 雑感


12月19日(水)に、文京シビックホール 大ホールで、

バレエソフィア(Ballet Sophia)第3回公演「胡桃割り人形」(全幕)

を見た。

過去ログのこの(http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20070921/p5)公演である。


午後7時開演。休憩込みの2時間で、午後9時きっかりの終演。


公演プログラムは、無料配布だったが、必ずしも入場者全員に配ってはいなくて、希望しないとくれなかったみたい。ちょうどもらっているひとがいたので、私も、下さいといってもらったが、気がつかなかったら入手出来なかったかも。

・・・「くるみ割り人形」はカンパニーによって演出や、登場するキャラクターも少しずつちがうからやっぱり、プログラム(配役表)がないと見ていても楽しめないもの。

そのプログラムは、表紙込み 8ページ。各場ごとの配役、ゲストの写真、スタジオメンバーの写真(役ごと)。

この11月に、「バレエ ソフィア」は、「プティ バレエスタジオ」時代から数えて20周年を迎えたとのこと。

バレエ ソフィア公演は、第1回で「眠れる森の美女」、第2回で「白鳥の湖」を上演し、今回は第3回公演として「胡桃割り人形」を上演とある。


東京ニューシティ管弦楽団(指揮・内藤彰)の生演奏に加え、「雪のワルツ」では女声コーラス(東京トルヴェール)が下手側花道(脇舞台)で生合唱。3000円のチケット代からすると、贅沢なステージ。

オーケストラピット使用で、1階席は、7列が最前列。


ジュニア、キッズのメンバーを上手く使った、楽しい「くるみ割り人形」という印象。パーティの場などはシンプルだが、全般には、クララだけでなく、いくつかの役を、ジュニア→ゲスト、年長のダンサー→子役、などとバトンタッチする演出とアイデアが目を惹いた。


幕開きは、紗幕越しにシュタールバウム家の居間の様子を見せておいてから、紗幕に照明で雪を降らせながら、お客さまとしてパーティへ向かう家族連れの道行きのシーンになるという流れ。

ドロッセルマイヤーが連れて来る人形は、コロンビーヌ、アルルカンムーア人の3体。このコロンビーヌ、アルルカンムーア人は、クララが眠ったあと、ねずみたちが現れるシーンからは子役に替わり、ミニチュアとなり、お菓子の国までクララのお供として付き添う。

胡桃割り人形は、ねずみとの戦いではジュニアのダンサーだが、胡桃割り人形の王子になってゲストダンサーに替わる。

ねずみと兵隊の戦いでは、兵隊たちが大砲をぶっ放すと(白い煙りが出た)、小ねずみが一匹討たれて倒れ、担架で運ばれるという面白い場面も。


クララは、1幕1場が子役。子役は、ねずみの王様へスリッパを投げるところまで。

その後は、夢の中での成長した姿という設定で、クララ役は年長のひとにバトンタッチで、胡桃割り人形の王子とのパ・ド・ドゥになり、続く「雪のワルツ」から2幕まで演じる。2幕のグランパ・ド・ドゥは、金平糖とコクリューシュ王子になるが、クララと胡桃割り人形の王子には「花のワルツ」に入って踊るシーンが用意されている。

2幕の最初は「夢の国」で、子どもたちの天使が現れての群舞。
それから、お菓子の国へ。


2幕の踊りでは、「キャンディボンボン」が、ジゴーニュおばさんの巨大さで目を楽しませ、そのスカートのなかから子どもたちが11人登場。最初に出て来た子が、2回のハンドスプリングを披露して、これがとっても上手で愛らしい女の子。

また、「花のワルツ」の群舞の振付がきれいで、印象的。

残念だったのは、金平糖とコクリューシュ王子のパ・ド・ドゥで、王子が金平糖を上手く支えられずに、ミスが続いたこと。(途中、このまま踊って大丈夫なのか?と思ったくらい)


最後は、ドロッセルマイヤーがマントにクララを隠すと、黒いマントがそのまま闇にとけて、シュタールバウム家の広間の椅子に眠る子役のクララにライトが当たり、少女クララの夢だったことが示される、という終わり方。この演出は、よかった。


カーテンコールの曲は、「終幕のワルツ」。
今月見た「くるみ割り人形」のなかには、カーテンコールにクリスマスソングを使う公演もあったが、やはり、「くるみ割り人形」の楽曲のほうが、それらしくていいと思った。

2度目のカーテンコールで、スタジオ主宰者(大野輝美氏)、指揮者も登壇。花束を持った子ども出演者から、ゲスト出演者他へ贈呈があって、幕。


東京ニューシティ管弦楽団の「くるみ割り人形」の演奏は、とってもいい。(バレエ シャンブルウエストもこの楽団だよね)