劇団浪漫狂「屋根の上の魔女」(紀伊國屋ホール)


劇団浪漫狂第39回公演「屋根の上の魔女」

過去ログのこの舞台。→http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20150205/p7

紀伊國屋ホールで、3月8日(日)に観劇。

午後2時開演。

途中休憩なしで、終演は、午後4時20分ぐらい。

プログラムは、1500円。予約しておいたので、1000円での購入。(限定400部と告知されていたが、終演後も売っていたので、千秋楽でも売り切れたりせず、ふつうに買えたみたい。でも安く買えたからいいか)

このカンパニーの公演を見たのは、はじめて。(子役が出ていなかったら、しんどかったと思う)


千秋楽だったので(?)、カーテンコールでは、主演トリオの3人(松下萌子かでなれおん、宮井くらら)が促されて、少し挨拶があった。

宮井くららちゃんは、突発性難聴&声が出ないという女の子・ひかる役(といっても、終盤では治るからセリフもしゃべるし、途中には死んだ父親との対話シーンもある)。白タイツっ子だった。マイクも使っていて、魔女ルックでは帽子の下、右耳の近くにマイクが見えていたり。衣裳といえば、パジャマもあった。あと、カエルのぬいぐるみを首から下げていたり。

ひかるが来てから不思議なことが立て続けに起きるのはただの偶然の重なりで、魔女ルックは子役をかわいく見せるためと、「屋根の上の魔女」というタイトルとの整合性のためのものといった印象。ひかるという女の子が現れたことでの展開や周りの変化がポイントだとはいえ、魔女になぞらえなくてもよさそう。


内緒でルームシェアしていた住人たちは、突然の大家の来訪に右往左往、なんとか大家夫婦を旅行に行くよう仕向けて、とりあえずは難を逃れるが、代わりに、大家の子ども・ひかるを預かる羽目になる。ひかるは、実父を目の前で殺されたことがきっかけで、耳が聞こえず声も出せなくなっていた。
部屋の住人たちと、その関係者や、いわくあり気な人物が入り乱れてのドタバタコメディ。そこに、ひかるの実父の死の真相という仕掛けと、ひかるをとりまくハートウォームな味付けを加えている。

登場人物のひとりが、過去(18年前の出来事)を回想するかたちに仕立てていたが、これは、時代設定を「いま」にしてしまうと話に無理があるのと、この劇団の作風や演技の特長が昭和テイストな野暮ったさにあって、それを活かすためなのかな? ただ、「いま」のシーンの演じ手たちが上手いとはいえないので本筋を停滞させてしまう感じがした。回想形式が外せないなら、独白が上手いキャストに語らせるか、大人になったひかるの役を設ければよかったのに。

登場人物の出入りの都度、舞台の上手側にあるという設定の階段を上り下りする音が響いて、それがいちばん記憶に残ったかも。


ところで、この舞台の出演者は、昨年、子役(8才〜12才 女性:主役)も含めて、公募されていたのですね。