モーツァルト! 11月27日夜


11月27日(火)は、昼の部(http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20071130/p2)を観劇後、日本橋近くで急いで所用を済ませて、

ミュージカル「モーツァルト!」の夜の部を観劇。午後5時45分開演。

井上ヴォルフガングに、アマデは、野本ほたるちゃん。


野本ほたるちゃんのアマデは、「影を逃がれて」など一部のシーンを除けば、無表情といっていいくらいに表情の変化を抑制して演じている。が、この子のアマデは目に力があるので、表情をほとんど変えない分、その目がとても効果的だ。

身体の動き、こなしは、大きくないし、あまりメリハリを付けていない。それがやや物足りなく思えたのは途中までで、展開につれて全く気にならなくなったのはなぜだろう。

立ったときの脚幅が広いので、正面を切った立ち姿が、格好いい。

「影を逃がれて」で、ヴォルフガングの腕に羽根ペンを突き立てるところ、ほたるアマデは、オーバースローで上から。(ちなみに、ここの真嶋アマデは、スリークウォーター気味でバックスイングが大きい) 振り幅は大きくないが、上からなので、第1幕の幕切れも、きれいにきまる。といっても、井上ヴォルフガングとだから、すぐにしゃがむことになるが。

野本ほたるちゃんは、カーテンコールになるとアマデとしての「貌(かお)」がほどけて、すっかり別人のようである。

同日の昼の部に出ていた真嶋優ちゃんのアマデより、顔(メイク)が白っぽくなかったかな?


(どうやら、今年のアマデは、2005年公演よりも、2002年公演のそれに近いようなので、そう思ったほうがよさそうだ)


2007年公演で、井上芳雄モーツァルトを見るのは、このステージがはじめてとなったが、うたの上手さといい、スッと立っているときの存在感といい、堂々の主役ぶり。充実感に加えて、ちょっと貫禄もついた様子。

今回公演では、ダブルキャストの主役ふたりのうち、中川ヴォルフガングがこれまでとちがう芝居を創るなどして、自分なりの造形へと踏み出し進化したとすれば、井上ヴォルフガングは初演・再演の舞台を練り上げ深化した印象。


第2幕の、コンスタンツェをめぐってのトーアヴァルトとの絡み(愛の巣)では、トーアヴァルトが赤い羽根ペンで井上ヴォルフガングの首筋を撫でる、という前回公演と同様の芝居が見られる。

また、「仮面舞踏会(夢魔)」のすぐ後の、セシリアたちが訪ねて来て、ヴォルフガングに借金の手紙を書けと迫る場も、中川バージョンの芝居が少し変わったので、ここも井上版が前回公演を引き継いでいるということになるのか。


最後の緞帳前のヴォルフガングとアマデは、ふたり手をつないで登場、下手→上手→真ん中で、「(井上)ありがとうございました」、「オーケストラ(と、オケピットへ向けて拍手)」、ほたるちゃんをおんぶ。「さようなら」といって下手ソデへ退場して、了。




観劇雑感は、順序からすると、この次が、
先に書いた11月29日(木)昼→http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20071129/p1