モーツァルト! 初日雑感


今年2回目の観劇から帰って来たところで、いまさらだが、書きかけのテキストを大急ぎで推敲して、

11月19日(月)17時45分開演の、ミュージカルモーツァルト!」(帝劇)初日の雑感を少々。

以下、先日の初日メモ(http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20071119/p2)と被るところもあり。


公演プログラム。

3人のアマデの紹介のうち、野本ほたるちゃんと真嶋優ちゃんは、所属が書いてあるのに、田澤有里朱ちゃんは書いてない。なぜだろう?

(田澤有里朱ちゃんて、笑っていいとも!の生放送で、「キリンプロの…」といったという伝説の女の子が田澤有里朱ちゃんなのか!当時、かなり話題になっていたが、アマデにまでなれば、もはや子役出世双六のひとコマか、あるいはむかし話の類になったといえそうだ)

過去公演の舞台写真、オフショット、稽古写真、そして今回公演の稽古風景が入っているが、それを見ると、アマデの3人では、野本ほたるちゃんがいちばん背が高いのかな?

今年は、ヴォルフガングとアマデの組み合わせは幾通りあるのかが、当面の注目点のひとつになろうか。

2002年のオフショットの石川楓ちゃんが、かわいい!!

高橋愛子さんのアマデの立ち姿が、いい写真だ。


さて、初日は、中川ヴォルフガングで、アマデは真嶋優ちゃんだった。

真嶋アマデは、扮装がとても似合っていて、スマートな印象。体型的にもそうだが、演技や居住まいが。内面から役の感情や熱さがあふれるようだった2005年のアマデたちの記憶がまだ新しいから、その対比で、いい意味ですっきりと見える。過剰さがないところが、かえって神童っぽい。

もっと眼にインパクトがあるかと思ったが、意外とそうでもなくて、たとえば、黒沢ともよちゃんのような眼の表現の強さはないし、どちらかといえば、真嶋さんのあの瞳は、ウェットな優しい方向にその本領がありそうだ。

ピアノを弾くシーンの手の動きがおもしろい。椅子に座るときの、コートのすそを後ろに払うしぐさが小気味よくて。身体の角度の付け方が、きれい。

全般にアマデの動きは2005年を踏襲している。3点セット(譜面帳、箱、羽根ペン)の持ち方も2005年と同じ。つまり、譜面帳と腕のひじのあたりで、箱を挟むように持つ格好で、2002年とはちがうかたち。

二幕、クライマックスの「モーツァルトモーツァルト!」での上手階段では、真嶋アマデは、箱は横長に持って、羽根ペンを箱の右脇に立てて持っていた。
(今年も、この場面の箱と羽根ペンの持ち方が、アマデによってちがうかどうかを客席から確かめるのが楽しみ。[追記] 今年のアマデは3人とも同じ持ち方。演技的にも顕著なちがいはなく、分かりやすい例を挙げれば、第一幕終盤の「僕はウィーンに残る」でのアマデの出のタイミングも、2005年のアマデたちのように、それぞれにちがうということはなかった)


前回公演からの変更点としては、演出面では小さな変更がところどころに。たとえば、第二幕の「乾杯!ヴォルフガング」で、乾杯、それともキス?と訊かれたヴォルフガングが蜀台を持ったのでどうするのかと思ったら、ろうそくの火を吹き消して、ふたりはベッドへ、という流れ(で、それに気を取られていたら、「仮面舞踏会」の入りのところのアマデを危うく見逃しそうだった)

「仮面舞踏会」では、ヴォルフガングの前に立ったアマデが右手を上げる振りで、ヴォルフガングも手を同じに動かしていたり。

振付では、第一幕の「チョッピリ・オツムに、チョッピリ・ハートに」の変更が目立った。

背景の美術(映像かな)が、新しくなったのが目に新鮮。
教会でヴォルフガングが女優としけこんでいる場面では、その様子が影絵で映る。ここでヴォルフガングが汗をかいているのが、なんだかちょっと、リアルだね。もちろん、すぐ前のダンスシーンのせいだろうけど…


中川ヴォルフガングの衣裳が、けっこう前回とはちがっている。「何処だ、モーツァルト!」〜の、あのスウェットパンツみたいなのは何?それにバスケットシューズとの取り合わせも、変。あんな寝間着か運動着みたいなのを穿いて大司教の前に出たら、それは無礼というものだ。そういう趣旨の衣裳なのかしら。第一幕終盤での、編み上げ靴も、なんだか違和感をおぼえた。


中川ヴォルフガングのうたい方は、押さえたように聴こえるところがあって、声を出し切っていないようにも感じた。


初日とあって、カーテンコールでは中川ヴォルフガングのあいさつあり。「モーツァルト!」の初日に出るのは、はじめてといっていたが、ここでの初日とは、各劇場の初日ということではなく、その年の公演のスタートのステージという意味だろう。演出家と作曲家の登壇とあいさつもあって、リーヴァイ氏は客席からオケピットの上の橋を渡って(そのために客席側に小さな階段が置いてあった)舞台へ。コンスタンツェが迎えた。

モーツァルト!」ではおなじみの、カーテンコールのあとオーケストラ演奏後の、ヴォルフガングとアマデによる緞帳前あり。初日は、ふたりに加えて、コンスタンツェが登場して、3人で。


9時15分終了。

終演後、劇場の外は、雨が落ちて来ていた。窓口を開けて、以降の日程のチケットを販売していた。


2年ぶりの観劇。やっぱり「モーツァルト!」は、いい。全てのシーン、ナンバーが、心にズンズンと突き刺さるように響いて、無駄がない作品だ。