OUR HOUSE (アワ・ハウス)



新国立劇場中劇場で、「OUR HOUSE (アワ・ハウス)」を観劇。



ロビー表示の上演時間は、2時間45分(途中休憩20分あり)。



観劇した回は、午後2時開演で、終演が4時50分過ぎ。1階席では、8割方が立ち上がって、カーテンコールはかなりの盛り上がり。「アッキー」と叫ぶひとも、数人。



公演プログラム、1500円。

予想以上の売れ行きのために、各回限定数の販売で、6/20昼は、100部しか売らなかった模様。私は何も知らずに開演20分前に入場し、普通に買えたのだが、その後コーヒーを飲んでいたら場内放送があり、プログラムの予約販売を受け付け中と案内していたので驚いた。公演がはじまって、まだ、6ステージ目なのに、とんだ不手際といえそうだ。

いずれ増刷が出来するのだろうが、しばらくは、プログラムが欲しいひとは早めに入場するのがよさそうだ。



終演後には、リピーター割引として、翌日以降の平日公演のS席(10000円)を9000円にて、予約を受け付けていた。



客席は、左右ソデ側(=可動壁の外側)の座席は使用していなかった。





洋楽には全く関心がない身には、マッドネスが何なのか、さっぱり分からないが、要するにこれも、いわゆるカタログミュージカルということになるのだろう。



16歳のハイスクールボーイ、ジョー(中川晃教)は、恋人のサラ(池田有希子)とデートの途中、立ち入り禁止の建物に不法侵入したところを警察に発見される。逃げるべきか、素直にお縄になるべきか。

そこに、いまは亡きジョーの父(今井清隆)が現れる。彼は犯罪に手をそめた自らの過去を悔いていた。父の力によって、ふたつに分かれたジョーは、片や、警察を振り切って逃げ、要領のいい生き方で成功を掴もうとし、もうひとりのジョーは潔く警察に捕まるが少年院に送られ、世間の冷たい風にさらされる。



ふたりのジョーの生き方が、耳あたりのいいナンバーとともに、ダンサブルなシーンを織り交ぜつつ、交互に展開して行く。果たして、どちらのジョーが幸せに行き着くことが出来るのか。という教訓めいた話を、退屈させずに見せる。



中川晃教というひとの、演技者として達者なところが見られる。ナイーブな等身大の青年(の2役)を上手く演じていて、とてもいい感じ。舞台俳優として、まだまだいろんな可能性を秘めていそうだ。

(第二幕の、傘を使ったダンスシーンでの早替わりに、びっくり!(苦笑)…ぼー、と見ていてはいかんな)



主役をはじめとして、制服姿で高校生を演じる俳優陣が、みな、けっこう様になっているのが不思議というか、面白い。



今井清隆演じるジョーの父親は、ストーリーの進行役でもあるが、息子を見守りながらも一定の距離感をきちんと出していて、そのスタンスに「後ろめたい親」らしさがあってよかった。



繰り返し、何度も見たくなるような舞台ではないが、考えさせられるところもあって、なかなか面白く、佳作といった趣。





どうでもいいのだけれど、音楽が鳴るスキンって、本当にあるのか?・・・風船みたいに膨らませるのは、高校生のときに、試したことがあるわいなぁ(あー、恥ずかしい(笑))。