モーツァルト! 10月6日夜(中日劇場)
10月6日(木)は、急遽、「モーツァルト!」の夜の部も見ることにしたので、昼の部の休憩時間に電話をして、夕方からの東京での予定をキャンセルした。
「モーツァルト!」は、やはり、何度見ても面白い。
(あの、小道具の「箱」のことも気になったし)
夜の部は、当日券を買った。
中日劇場では「本日券」と称している模様。
この日は、御園座で上演中の中村勘三郎襲名披露の筋書きを、土産に買って帰ろうとの心づもりだったが、「本日券」で7000円の不意の出費となったため、とりやめた。
さて、夜の公演は、
中川晃教のヴォルフガングに、川綱治加来のアマデ。
プラター公園では、ヴォルフガングが「いくいく」じゃなくて「ああ」って返事していたけど、中川版は「いくいく」っていって欲しいな。左手のつめは、中指が赤で、他が青(かな…例の濃い色の)。
昼公演の残像が残っている目には、川綱くんのふくらはぎ(あんよ)は細いな、とか。
「影を逃がれて」で、ヴォルフガングの手から才能の箱を取り返したアマデが、舞台中央のデスクへ行って譜面を書きはじめるが、このとき、(井上ヴォルフガングより)中川ヴォルフガングのほうが舞台下手でうたっている時間が長い、とか。
羽根ペンを突き刺しての極まり方が、高橋さんのアマデは反り身で、川綱くんは前傾姿勢だ、とか。
二幕のクライマックスの「モーツァルト!モーツァルト!」で、上手の階段の高みに立った川綱アマデを見て、このシーンでの、今年のアマデの箱の持ち方は演じる子それぞれに3通りだったことも思い出した。
箱を横長に持って羽根ペンは箱の上、横長に持って羽根ペンは箱の右に、取っ手(というのかな?)がついている側面が前になるように箱を持って羽根ペンは箱の右、の3タイプ。
川綱アマデは、帝劇での初登場から3週間ぐらいの、アクティブに進化していた頃の演技が余りに鮮烈だった。いまはクールに安定して、男の子ならではのたたずまいが見どころといった印象。「仮面舞踏会」での、右手のムニュムニュが健在で、楽しい。
川綱くんのアマデは、シルエットに味わいがある(姿勢のきれいな伊藤渚さんとは、またちがう美しさ)。
最期は、おなじみの、ヴォルフガングのひざにうつぶせの最期。
昼・夜でふたりのアマデをつづけて見たとき、表面的には抑制度の高い高橋さんのアマデのほうに、より「演じている」という印象が強かったのが、発見だし、面白かった。
一路男爵夫人は、うた(星から降る金)がなんとなく重たく聴こえる。
昼・夜では、夜公演のほうが声の調子がよかった。
モーツァルト両人による、最後のカーテン前は、
カーテンの中央が開いて、ふたり登場。
拍手のなか、ヴォルフガング、厳かにお辞儀。アマデ、倣ってお辞儀。
中川、川綱の順に投げキス。
再び、両人、お辞儀。
後ろを向いて、右手を腰にあてるヴォルフガング。アマデが、それを見て真似て、自分の腰に手をやったのだけれど、中川さんの様子からすると、アマデと腕を組みたかったのではないかな…。ふたり背中を向けたまま奥へ歩いて、カーテンが閉まって、了。
夜の部は、2階のB席からの観劇だったが・・・中日劇場の2階席といえば、むかし、「レ・ミゼラブル」を見に来たとき、列をまちがえて座ってしまったことがある。そのとき、まちがいに気づいてあわてて座り直した席もまちがい(ひとつ隣)だったという、恥ずかしい思い出があって、いやだいやだ(苦笑)。