10円硬貨のゆくえや、いかに。



4月25日は、歌舞伎座に四月大歌舞伎の夜の部を見に行った。



今月、夜の部は3度目の観劇だったが・・・またしても、「毛抜」には間に合わず。結局、いちども「毛抜」を見ることなく終わってしまった。(深層心理で見たくない気持ちが働いた、などということはないはずだが)





それはともかく、25日は、歌舞伎座へ行くのに、JRの某線に乗ったところ、電車内の床に、10円玉がひとつ落ちていた。

あ、お金

とすぐに気づいたが、さすがに乗って早々、拾うのは気がひけたので、様子をうかがっていたが、誰れも拾わないどころか、気にもとめない様子。次の駅で乗って来た客も、一顧だにせずまたいで行く始末。

10円なんて、どうでもいいと思っているのか、それとも全く気づかないのか。あるいは落とし主が拾い忘れていて、そのご当人がいまだ車中にいるものだから、落ちた経緯を知っている乗客は手を出せないのかも。

と思うと、私も拾いたいが拾えぬまま。



ついに下車するまでの数駅、誰れにも拾われぬまま、10円硬貨はひとりぼっちで電車に乗りつづけ、さてその後、あの淋しい硬貨はどうなったのだろう。もし、ホームに落ちていてくれたら、拾わでおくべきか、と思うと、じつに心残りなことであった。