茶の味



(先週) 渋谷にて、映画茶の味を見た。

 以下、だいたい敬称略



平日の昼間だったのに、けっこうお客さんが入っていた。

(その館では上映最終日だったこともあるかな?)



坂野真弥主演映画

キャストのなかで、堂々、名前の序列がトップである。

自分を見つめる巨大なもうひとりの自分を消すために、彼女は廃墟の公園の鉄棒で、逆上がりの練習をするのであった・・・





家族各々の、おかしなエピソードばかりを連ねたように見えながら・・・それらは、誰れでもが多かれ少なかれ抱えている種類の、執着や、妄想や、違和感、もしくはどこかにはきっとある現実に通じていて、だからこそ、(各エピソードに対する好悪の別はあれ)不思議とその映像に惹き込まれてしまう。

幸子(坂野)はもちろん、春野家のそれぞれが持っていた悩みごとが、最後にはおさまるところにおさまる という展開も、素直に上手いな、と思った。



真剣さがかえっておかしく見える登場人物やシチュエーションのなかで、ハジメ(佐藤貴広)が通う高校の囲碁部の面々がえらくまっとう過ぎるのがまた変だったりで、そのあたりのずれ方がなんとも奇妙な味。



非現実的な映像と、現実そのもののリアルなシーンが、対照的に混在しているのに、不自然でないのも奥深そうで、厄介な感じだ。



ちょっとした役で出演している武田真治の上手さ、草磲剛のさりげなさ、また(野ぐそデビューの)回想シーンを演じている少年アヤノの谷本和優が印象的。



「山よ」3人組のレコーディングシーンが、掛け値なしの爆笑もの(すごいわ)。

DVD が出ているそうな。





帰りがけ、売店にあったシール(坂野真弥嬢の顔とか、三角定規の格好してるのとかの)が欲しいな、と思ったが、下さいというのがどうも恥ずかしくて買わなかった。



このあと、国立劇場へと移動したが、雨で、「茶の味」のパンフレット(700円)が少しぬれた(あーあ)。

パンフレットは読みごたえがあり、坂野真弥のカンヌ絵日記がいい。