日本経済新聞の劇評


日本経済新聞のサイトの、

文学座女の一生」(三越劇場)の劇評は、読み応えがある。

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO84236080R10C15A3000001/

『ひとりの女の年代記にとどまらない歴史劇としての大きさ。中国の植民地化に乗じて財をなし、空襲でゼロになる「家」の軌跡は、いってみれば「大日本帝国の一生」なのだ。』

『舞台は日露戦争で旅順が陥落し、日本中を熱狂させた世から始まり、米軍の空襲で東京が焼け野原になるところで終わる。』

(杉村春子の名演に隠れて見えにくかったが)『台本には政治的言語が思いのほか多い。』

今回の舞台では、『中国情勢や戦争について語るセリフがくっきり浮かびあがる。』

戦前戦中の日本人、中国との関係をえがきこんだ森本薫の戯曲を高く評価するとともに、『おそらく、この作品は将来よりいっそう切実な相を浮かべるだろう。』と、不穏だが、否定し難い予見も述べている。