舞台に生きる


浜畑賢吉「舞台に生きる 誰にでもわかる演劇・ミュージカルの話」(作品社、1600円+税)
http://www.tssplaza.co.jp/sakuhinsha/book/geijyutsu-etc/tanpin/23862.htm

を読んだが、これは、いい本ですね。

タイトルを見たときは、自身の俳優人生を振り返った本なのかと思ったが、そうした回顧録的な記述は、むしろ少な目。浜畑賢吉さんが、これまでの経験や蓄積をもとにして、俳優を志すひとに必要なことや、俳優としてのトレーニングに関わる内容、若者へ向けたアドバイスを、分かりやすく書いたものである。大学で教えているひとなので、その立場から書かれたものだろう。

私は、もっぱら舞台を見る側の人間だが、なるほどと思うことが多く、充分におもしろく読んだ。「華岡青洲の妻」の青洲役は、かつて、ドラマと舞台と両方で演っていたのですね。

浜畑さんというと、劇団四季をはじめとする舞台でも見ているけれど、いまだに、子どもの頃に見たテレビ時代劇での印象が強い(たとえば「宮本武蔵」の佐々木小次郎とか)。


ちょっと残念なのは、俳優や劇作家の名前に誤植が多いこと。

なお、この本は、学校法人塚本学院 大阪芸術大学出版助成を受けての刊行、とのことである。