'12劇団東俳 座・阿国公演「ピノッキオ」


'12劇団東俳 座・阿国公演「ピノッキオ」


4月29日(日・祝)に、A班の公演を観劇。

「演出 三角有季子」とあるので、今回の「ピノッキオ」の演出は、この方ですね。
http://www.office-be.co.jp/narrator/yukiko_misumi.html

上演時間は、1時間30分(途中休憩なし)。チラシによれば、1幕10場。


入江怜ちゃんのピノッキオの、セリフのしゃべり方がいかにも駄々っ子っぽくて、何度も誘惑に負けてしまうピノッキオを、愛らしく演じていて、イノセントな魅力がたっぷり。(ピノッキオの鼻は、自分で伸ばしたり、引っ込めたり、外したりしていた)

劇中のおもちゃの国って、木曜日と土曜日と日曜日が休みで、1週間のうち木曜日が5日で、あとは土曜と日曜だから、毎日が休みなのだって。

小野緒芽ちゃんのロメオと、ピノッキオが、ロバになっちゃうところは、ちょっとスゴかった。眠っている間に、耳がロバの耳になって、シッポも生えていて、とここまでは想定内としても、ひざをついて、手をついたら、そのまま立てなくなってしまうというのはインパクトがあったし、あれで見せ切ってしまうところに演劇の本質的なおもしろさを感じた。

で、ロバになったピノッキオはサーカスに売られて、芸をさせられることになるのだけれど、ロバになって踊らされるピノッキオを見ていたら、本当に可哀想になって来た。

この「ピノッキオ」は、けっこう演出にシビアなところがあって、それが作品の持つ辛口な部分ともシンクロして、見ごたえとなっていた。

山藤みくさんは、上手いね。「オズの魔法使い」もよかったが、今回のはミュージカルではない分(おもちゃの国のシーンで「フニクリ・フニクラ」や「オブラディオブラダ」のメロディによるうたはあるものの、ストレートプレイといっていい舞台である)、お芝居の上手さが際立っていた。