細雪(帝国劇場) その2


10月9日(日)に、

細雪
(原作:谷崎潤一郎、脚本:菊田一夫、潤色:堀越真、演出:水谷幹夫)

を見た。帝劇開場100周年記念公演と冠した今回公演は、2度目の観劇。

12時開演。

悦子(次女・幸子の娘)は、小島一華ちゃん。最前列でいちかちゃんが見られてよかった。関西弁の嬢さんがかわいい。

ダブルキャストの悦子役は、髪形がちがっていて、これが見どころひとつ。


最前(XA)列は・・・やっぱりキャストの足もとが見えないね。とくに手前にライトがあるし。あと、声の聴こえ方がちょっと不思議な感じ。舞台から生の声が聴こえて来るかと思ったら、ほとんどそうではなくて、プロセニアムの向こう側で声が少し響いて聴こえる感じで、マイクを通した声になっている。

この「細雪」では、立ち位置を示す番号は、上手側、下手側それぞれ6番まで振ってあったから(帝劇のミュージカル、たとえば「モーツァルト!」のときには、8番まで振ってある)、第一幕第二場(芦屋・分家)で、悦子ちゃんがカメラを持って奥畑の啓坊と話したりしているのが、上手の6番ということになるのか…。


第二幕第一場(芦屋・分家)で、訪ねて来た鶴子が、見合い写真を見て、井谷夫人の持って来た雪子の縁談に難癖をつけるが、そのときの縁談の相手というのが、セリフによると、大和の下市で銀行の支店長をしていて、再婚で子どもが5人。で、下市というと、歌舞伎の義経千本桜「すし屋」の舞台になっている下市のことだよね。今回公演の初日を見たとき、この「下市」に気づいて、観劇後に、買っていた戯曲で確かめた。やっぱり戯曲があると、それまで聞き流していたことも耳に入って来るから、持つべきものは戯曲である(笑)。


戯曲といえば、第一幕第一場(本家)の2度目の登場のとき、悦子ちゃんは、戸祭の吾助どんに「お化け」っていわれて、きゃーって笑いながら走って行くのだけど、戯曲ではただ「(戸祭)子供達と共に去る」としか書かれていない。

第一幕第三場(本家)で、途中、いちばん上手側に座している「きあんちゃん」がひざの上で折り鶴を折りはじめるが、これって、過去の雪子女優もやっていたこと?この日、はじめて気づいた。


子役(3役)のダブルキャストは、プログラムの写真の縦並びで右側と左側に分かれていると思っていいかな。

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