細雪(帝国劇場) その5
10月18日(火)は、
「細雪」
(原作:谷崎潤一郎、脚本:菊田一夫、潤色:堀越真、演出:水谷幹夫)
を、観劇。
午後5時開演の夜の部。
悦子嬢さんは、斉藤春貴ちゃんの出演。
ということで、ここまでの、5回の観劇での悦子役が、斉藤春貴ちゃん→小島一華ちゃん→斉藤さん→小島さん→斉藤さんとなっていて、交互に見ていたことになる。
(じつは、チケットを持っていた日に1回行けなかったので、もし予定どおりだったら途中で、いちか嬢さんを2回続けて見られたはずだけれど、今月は多用でままならず。その代わり、当初は予定していなかった帝劇千秋楽を見ることにして、辻褄を合わせることにした)
今回は、悦子ちゃんのセリフについて書こう。
第一幕第一場、法事に出るために、本家にやって来た悦ちゃんは、こんな旧くて大きい家はお化けが出そうで怖い、といっている。そこに居合わせた戸祭吾助(もとは蒔岡商店の奉公人だったが、いまは独立して店を繁盛させている)が、それならいっしょにお化け退治しましょうと、悦子の相手を買って出る。
お化け退治に乗り気になった悦子は機嫌を直し、吾助どんにおぶわれて上手へ去るのだが、このときに、吾助におぶわれた悦子のセリフは、戯曲では、「お化け退治!お化け退治や!」と書かれている。
じっさいの今回の帝劇公演では、ふたりの悦子は、ここのセリフをこういっていた。
斉藤春貴ちゃんの悦子『お化け退治!お化け退治や!お化け退治や!』
小島一華ちゃんの悦子『お化け退治!お化け退治や!お化け退治!お化け退治や!』
春貴嬢さんと一華嬢さんとで、セリフのリピートの仕方が少しちがっていて、こういうちがいは、ちょっといいな、と思う。
なお、このセリフの繰り返し部分では、袖幕の向こうに入っているので、そこは客席では悦ちゃんの声だけが聴こえるかたち。
座席は、1階A列の上手の端っこで、右斜め前の脇花道にスピーカーがあって、舞台からと、そのスピーカーからと役者の声が両方から聴こえて来て、なかなかおもしろい席だった。ミュージカルでオケピットが入ると最前列になる席だけれど、安くないお金を出して端っこを買うのはためらうこともある。でも、このお芝居で、悦子ちゃんの演技を見るには、いい角度なのである。
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