細雪(帝国劇場) その4


10月15日(土)は、

細雪」(原作:谷崎潤一郎、脚本:菊田一夫、潤色:堀越真、演出:水谷幹夫)

を、観劇。帝劇開場100周年記念の今回公演は、4度目。

午後5時開演。

悦子役は、小島一華ちゃん。

第二幕第二場の洪水の日、嵐のなかを学校から帰ったときの悦ちゃんは、子役ふたりで髪につけているリボンの色がちがう。小島一華ちゃんの悦子は、水色で(斉藤春貴ちゃんのより)明るい色のリボンをしている。

それにしても、第二幕第一場の、悦ちゃんの白いお馬はかわいいね。ぐるっと回って、雪子の前に戻ったときに、ぴょんぴょんと2回はねるのがいいな。


さて、今回の「細雪」帝劇公演では、本家の女中がひとり増えている。役名は「お千代」。

この芝居の女中は、本家が、お久、お照、お常、お松。分家が、お春、お花、お秋、お光である。ここに、お千代という女中が加わるのは、役名からしても、いかにも足しましたといった感じがする。

第一幕では、お千代にもセリフがあるが、戯曲を見ると、そのセリフは、本来はお松が演じていた部分をお千代に割り振ったものと思われる。

今回の、この女中1名増員には、どんな意図があるのだろうか?帝劇開場100周年の景気づけか、本家の女中を増やすことで分家との差をつけたのか、あるいは、東宝ミュージカルのホープにキャリアを積ませるために役を増やしたのか…。次回公演があったときはどうなっているだろう。

また、戯曲では、妙子の個展(人形展)の会場での新聞記者は3人になっているが、前回公演(2010年1月、明治座)も今回公演も記者は2人になっている。2008年の帝劇公演のときは、プログラムを見返したところ、3人だった。


妙子の個展会場といえば、受付の後方上あたりに、蒔岡妙子の略歴があって、この日は、B席で見ていたので、観劇用の双眼鏡でその略歴を読もうと思い立って読みはじめたが、戦前の話なので横書きを右から左に読まないといけなくて、なかなか進まずにイライラして来たので、途中で挫折した。
[補記]http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20111108/p1

だけど、ああいうのを読むのは、面白いよね。たとえば、劇中のお店の品書とか値段とか。