'11劇団東俳レモン劇場「白雪姫」(A班)


'11劇団東俳レモン劇場「白雪姫」


4月30日(土)の、A班のステージを観劇。

上演時間は、1時間40分(1幕40分、休憩10分、2幕50分)。


今回の「白雪姫」は、東俳レモン劇場にしては、出演者が少なくて、24人(24役)。水増しキャストっぽい役がなく、その分、舞台も締まっている感じで、楽しんで見た。


チラシに載っていた役柄を簡単に解説すると、

白雪姫は、第1幕が少女期、第2幕が青春期という分担。ヴィルヘルムは、王様(白雪姫の父)。クララは、王妃(白雪姫の母)。ハンナは、女官。ハインリッヒは、小姓。ゾフィーは、後妻の王妃(白雪姫の継母)。物売り、りんご売りは、それぞれゾフィーの変身した姿。オズワルドは将軍のちに大臣(ゾフィーの仲間)。ヤコブは、兵隊。ラミーは、鏡の精。メリル、クランツ、ルース、ラッカムは、森の動物たち。マヌーフ、ローセン、ヴァージル、モリカ、イアン、キントレー、ポーで、七人の小人。フリードリッヒは、王子(新しい王様。白雪姫を娶る)。


白雪姫誕生前のエピソードからスタートし、鏡の部屋(ゾフィーの悪だくみ)とそれ以外の場が、ほぼ交互に出る構成。

なんといっても、7人の小人が、おもしろかったな。小人のリーダーの千葉真子ちゃんが号令をかけるのもおもしろかったし、7人が列を組んでの登、退場で「オッオッオ・・・」ってうたうのもおもしろかったし、7人がご飯を食べるのもおもしろかったし、小人たちが心臓マッサージをして白雪姫を生き返らせたのもおもしろかった。ゾフィーがリンゴに仕込んだ毒をスーパートリカブトウルトラデラックスだと見抜くところなんかもおもしろかったよ(笑)。


でも、いちばんの見どころといえば、第1幕でオズワルドから白雪姫を殺せと命じられた小野緒芽ちゃんの兵隊が、白雪姫を殺そうか、いや、やっぱり出来ない…と葛藤するところ。で、失神しちゃった白雪姫をいよいよ銃で撃とうかと思ったところに、酔っ払いのオオカミが現れたので、そっちをスドン、と。で、兵隊さんは、白雪姫をそのままにして、オオカミのキモを白雪姫のものだと偽って持ち帰ることにする、という展開。

次の見どころは、第2幕も佳境に到って、鏡の精の反撃に怒ったゾフィーが鏡を壊すと、その破片が突き刺さってオズワルドが落命、魔法の薬も破散してしまいゾフィーはりんご売りに変身した姿のまま、元に戻れなくなる。そこへ、しばらく出番のなかった小野緒芽ちゃんの兵隊が登場。鏡の部屋に踏み込むと、りんご売りの姿のゾフィーをオズワルド殺しの犯人として逮捕してしまうのでした。…カッコいいね。
兵隊の衣裳も、なかなかかわいかった(帽子もあって)。


継母ゾフィーに加担するオズワルド将軍は、王様(=白雪姫の父)が仲良し政策を行っているために戦争がなく、不満を抱えているなど、細かいところに凝った設定も愉しい。日辻南海さんのゾフィーはメイク映えして存在感たっぷり。終盤、ゾフィーに一矢を報いる鏡役の山上瑞貴さんの声と雰囲気も印象的。ラミーという鏡の精は、けっこうおいしい役どころ。