レディ・ベス


4月11日(金)に、帝国劇場で、ミュージカル「レディ・ベス」を観劇。

プレビューの初日で、午後1時開演。

1幕 1時間25分、休憩 25分、2幕 1時間20分。

この日は、カーテンコールが全て終わったのが、4時24分頃。

公演プログラムは、2000円。(プログラムは、見本を立ち読みしただけで、買わなかった)

メインキャストの組み合わせが、プレビューの初日は「嵐が丘」っぽくて、プレビュー2日目は「モンテ・クリスト伯」っぽいよね。


この舞台って、日程が出たとき、平日の夜公演が午後6時開演になっていたから、子役が出るのかも?と思って、プレビュー初日と初日と帝劇千秋楽のチケットを買ったのだけれど、子役は出ないと分かって、大失敗。あ〜あ、このお金を「ラブ・ネバー・ダイ」に回しておけばよかった…。

でも、初ものだし、英国の歴史なんてちっとも知らないので、エリザベス1世が即位するまでをえがいたこのミュージカルは、おもしろく見ることが出来た。「ベス」って、エリザベスのベスなのだね。見るまで、ベスというのは、いったいだれなのかと思っていた。じつに予備知識ゼロ(苦笑)。


とにかく、ステージの「盆」の傾き具合が、見どころだ。

クンツェ&リーヴァイ&小池修一郎ということで、「エリザベート」のトートや「モーツァルト!」のアマデのように、「レディ・ベス」にもこの世の者ではない登場人物がいて、それが、ベスの母・アン・ブーリン(和音美桜)。ついでに書くと、ベスの異母姉の女王メアリー(未来優希)は「エリザベート」のゾフィーにそっくりだし、第一幕の幕切れでステージ上にキャストが集合する演出は「モーツァルト!」みたいでもある。

なにより、レディ・ベス(平野綾)のヒロインぶりに見応えがある。うたは申し分なく上手いし、少女らしさがあるから、25歳までを演じるにはぴったりのキャスティング。

ストーリー的には、母親のアンに対して複雑な思いを持つベスが、自分が濡れ衣を着せられ、命の危機に直面したときに、母もまた、いまの自分と同じだったのではないかと気づくところがよかったな。アン・ブーリンは、すでに死者なのだけれど、ベスの心のなかを反射する鏡のようでもある。

敵役のひとり、司教ガーディナー(石川禅)は、けっこうつくっていて、最初のうち、だれが演じているのか分からなかった。

ベスのロマンスの相手であるロビン・ブレイク(山崎育三郎)は、ベスと庶民との間をつなぐ役まわりであると同時に、ベスが択びとれなかった自由を象徴する存在。でも、ベスがロビンと関係を持つのは、なんだか安易な気がしたなぁ…。


余談だが、近隣の座席が、いくつか空席だった(いちばん安い席種)。チケットを買っていたひとが来られなくなったのかな?とくに新年度だと、そういうこともあろうけれど。両隣が空いていたので、ひじ掛けを使えたのは楽だった。