私の「歌舞伎座」ものがたり


渡辺保『私の「歌舞伎座」ものがたり』(朝日新書)

を購入(740円+税)。

さよならがいよいよ迫って来た現・歌舞伎座。名うての批評家が歌舞伎座とそこで演じられた名舞台の思い出をものした一冊。

昨日、買ったばかりで、まだ読了していないが・・・渡辺保というひとにも、(歌舞伎座の)三階席の客だった時代があるとか、二階の後方から見るのを好んだ時期があったなど、座席について書いていたり、歌舞伎に拍手は似合わないのでほとんど拍手はしないともある。そんな、著者自身のことにふれている部分に、おもしろさがある。

同著によると、戦後、歌舞伎座で「勧進帳」の弁慶を演じた役者は16人、歌舞伎座以外の劇場で弁慶を演じた役者が7人(前進座も含む)、とのことである。

かつて、京劇の梅蘭芳歌舞伎座の舞台に立ったことがある、というのははじめて知った。

「襲名口上」のとき、その声が聞こえないと、舞台の上の役者へ向けて、掛け声ならぬ「苦情」をいった女性客のエピソードには、びっくり。