おしん 少女編(浅草公会堂) 11月9日夜
11月1日〜12月2日まで巡演中の、
平成21年全国特別公演
「おしん 少女編」
(原作・脚本:橋田壽賀子、補綴:菊村禮、演出:石井ふく子)
11月9日(月)の浅草公会堂公演を観劇。
加賀屋加代は、神山未来
上演時間は、およそだが、
一幕 1時間25分、幕間 25分、二幕 50分
公演プログラム、500円。舞台写真の佐々木麻緒ちゃんと諸星すみれちゃんが表紙になっている。
御園座公演の舞台写真(おしんが子役の場のもの)が、カラー3ページで収載されているのが、うれしい(ただし、今回の少女編に出演していない俳優が写ったものはなく、一部は演舞場のものか)。
以下は、8月の御園座公演との異同を中心にした雑感。
基本的には、今夏の御園座「おしん 青春編」のうちの少女時代までを、二幕ものに仕立てたものだが、場割のちがいとしては、俊作(勝野洋)が撃たれて第一幕が終わり、その翌日におしんが生家に帰って来るところからを第二幕にしていること。
また、二幕でおしんが奉公する加賀屋の場は、新橋演舞場や御園座では、
加賀屋の台所(おしんが加代の本を黙って持ち出したことからひと騒ぎ) → 加賀屋の座敷(おしんが「うらしまたろう」を音読〜手習い) → 加賀屋の裏通り(山王祭の賑わいのなか、母・ふじと遭遇) → 加賀屋の台所(ハーモニカをめぐるおしんと加代の喧嘩と和解〜母との再会〜少女編の幕切れまで)
と、回り舞台を使って場を移しながら展開したが、この全国公演では、それら加賀屋の場は、加賀屋の台所だけで進行する。
浅草公会堂は、花道の設置が可能な劇場だが、花道はなしで、いわゆる脇花道も未使用。
第一幕、最初の場の筏下りは、セットの手前=舞台の前方部分を川に見立てて、舞台の下手から上手へと、おしんを乗せた筏が横に流れる格好だが、ソデまでは行かず、上手方向へゆっくり動くうちに明かりが落ちて、幕が下りるというかたち。花道を流れて行く筏下りを見ていた目には、いささかの物足りなさは感じてしまう。
中川材木店の場では、花道の川でお洗濯の代わりに、下手の端(店の外)に井戸があって(上手側にある台所のそれとは別に)、おしんがその水を汲んで洗濯をする。
花道に登場していた飴売りは声だけになって、その飴を買いに来る子どもも、声が聴こえるだけである。
俊作がおしんを担いでの登場は、舞台の上手奥からになっていた。
第二幕は、加賀屋の場が台所から動かないままなので、山王祭も山車は出ずに祭の音だけ。加賀屋の裏の通りで、祭の賑わいのなか、おしんが母・ふじと遭遇する場面も、ふじ(音無美紀子)が加賀屋へおしんの様子を見にやって来るというかたちに変えてあった。
演舞場や御園座では、おしんと再会したふじが立ち去ったあとに、ふたりの様子をうかがっていた加賀屋くにが現れ、おしんを諭し、抱きとめての「よし、よし、よし」で子役時代に幕を下ろしたが、この全国公演では、立ち去ろうとするふじを加賀屋くに(淡島千景)が呼び止めて、おしんのことは引き受けたといってふじを安心させた上、亡くなったばんちゃんの供養にとお金を渡すなどがあり、また、おしんを諭すセリフも新たに書き加えられていて、内容的にはここがいちばん大きなちがいといえる。
演舞場や御園座での「よし、よし」のほうが、余韻があっていい、と私は思うけれど、でもそれでは、淡島千景さんの見せ場や、音無美紀子さんの出番が少ないということでもあろう。
ナレーションは変わらずに、奈良岡朋子。
所見の11月9日夜は、カーテンコールは、なかった。
諸星すみれちゃんのおしんは、脚を汚したりもしていないようで、以前に見た同役のときよりも全体に小ざっぱりした印象も。巡業ということで、あまり凝った拵えはしないということなのかな?
加賀屋でのふじとの再会のとき、ふじの草履の片方が脱げたのをおしんが履かせてやる、というところがあって、それがよかった。妙に奥行きを感じるシーンになっていて。
(「おしん 少女編」浅草公会堂での観劇は、この1回のみ。次は、別の会場にて)
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