読売新聞の、なかにし礼氏の記事


読売新聞のサイトに、5月28日付で、

【私と河東節】作家 なかにし礼さん

という記事が出ている。
http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/stage/trad/20080528et03.htm

なかにし礼氏は、河東節の名取(十寸見東礼)で、市川宗家の「助六由縁江戸桜」に、河東節十寸見会御連中として出演することがあるのだと。


以下、記事から一部引用。

団十郎さんに「河東節は出る人が決まっているのか」と問うと、「習って名取になればどなたでも出られます」と聞き、人間国宝の山彦(やまびこ)節子さんに弟子入りして、「十寸見東礼(ますみとうれい)」の名で名取になりました。当初は西洋音楽との違いに戸惑い、五線譜に書き換えたりして苦闘しましたが、やがて歌唱法のコツが分かりました。

 8年前、まだ新之助だった海老蔵さんの新橋演舞場での「助六」が、初めての出演です。紋付き袴(はかま)姿で控え、「河東節御連中様、どうぞお始め下されましょう」の口上で御簾(みす)が上がる瞬間は緊張し、興奮します。客席で見ていた時とは全く異なり、花道から揚巻(あげまき)が、助六がやって来る。照明のあたる角度が違うだけで演技を見る目が変わり、僕の歌舞伎観は、大きく揺すぶられました。

 とても幻想的で、歌舞伎の懐に飛び込み、秘密をのぞいた感覚。これは河東節で出演しない限りは、絶対に分からない。わずか2メートル前に中村雀右衛門の揚巻がいる。非日常の世界を体感できました。』




持っている筋書を引っぱり出してみたが、私が過去に(歌舞伎座御園座で)見た「助六」には、出演していなかったようだ。(該当月の筋書の、河東節十寸見會御連中連名に載っていないから)

余談だが、はじめて見たときは、「ますみかい」とはまず読めない。私は、十一代目海老さま襲名の歌舞伎座で見て、お家に帰ってからいちばんに十寸見會の読み方を調べたものである。