新宿コマ劇場が年内で閉館というニュースに思う。


新宿コマ劇場が年内で閉館することになった、という昨日(5/28)からのニュース。地階にあるシアターアプルも閉館になる。

すでにそれらしいことは聞こえていたし、いまさらおどろきはないけれど、新劇場については報道によって、白紙としているものと、新劇場が出来る見込みと書いているものとあって、新聞によって異なるのが気になる点。


スポーツ報知
http://hochi.yomiuri.co.jp/feature/entertainment/topics/news/20080529-OHT1T00043.htm

 最近は入場者数が落ち込み、コマ・スタジアムの今年3月期連結決算は2年連続の純損失となった。そのため同社は東宝の大隈広常務を社長に迎え入れ、経営体制の強化を図る。

 今後はコマ劇場の土地を保有する東宝の支援を受けながら再開発を進める。資産売却で経営再建を図る方針で、東宝は、コマ劇場に隣接し映画館やボウリング場、飲食店が入る「新宿東宝会館」も年内で閉館し、コマ劇場と一体で再開発に取り組む。

 劇場は来年取り壊されるが、新たな劇場ができるかどうかは白紙だ。』


デイリースポーツ
http://www.daily.co.jp/gossip/2008/05/29/0001085080.shtml

 大みそかテレビ東京・大阪系で生中継される「年忘れ!にっぽんの歌」がラストステージとなる

 コマ・スタジアムによると、閉館の理由は、入場客数の減少に歯止めがかからず、業績低迷が続いているため。閉館後は来年1月をめどに取り壊し工事に入り、その後は東宝の支援を受けながら、劇場跡地の再開発を進めるという。数年後には、新劇場を含めた新装ビルとしてオープンされる見込みだ。


夕刊フジ(Yahoo!ニュース)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080529-00000007-ykf-ent
は、関係者や演劇コラムニストの石井啓夫氏の言を引いて、
「1カ月間の座長公演がすべて満席になるのは北島三郎氷川きよしぐらい。ギャラの高騰や客層の高齢化にも悩まされ、昼夜2回公演を埋めなければ黒字が出にくい構造だった」

「場所柄、治安が悪く、特に夜公演の入りが目立って悪くなっていった。頼みの団体客も他のレジャーに目を向けるようになった。演歌の勢いがおち、劇場側も『モーニング娘。』や海外ミュージカルなどを企画してはみたが思ったほど若い人が集まらない。そうすると、2000席超のキャパが逆に重荷になった」

同じ阪急阪神東宝グループの芸術座(東京・日比谷)を建て替えた新劇場「シアタークリエ」が好調なスタートを切ったことも、建て替えを後押ししたようだ。


アミューズが運営する劇場になるという噂の真偽も含め、アミューズとの提携はどうなったのだろう?


たしかに、新宿コマ劇場シアターアプルは、夜の公演はあまり見に行きたくない。最近は、そんなことはないが、むかしは芝居を見に行く途中や帰りに、風俗店の客引きが寄って来て、相手にしないでいると腕をつかまれることもあった。それに、コマは、都心の劇場らしい贅沢な雰囲気がなく、劇場自体には、足を運びたくなるような魅力は皆無だ。

加えて、2005年のリニューアル後は、観客を終演まで場内に缶詰にし、休憩時間の途中出場を出来なくした。飲食物の持ち込みも禁止にして、売店の売り上げ増をねらっているのかも知れないが、たとえば、あの品揃えの悪いスナックバーみたいなところには、食べたいものはない。こういうやり方も、客足を鈍らせることにつながったのでは? 外の空気を吸いたいと思えば、喫煙スペースに出て、タバコのけむりにまみれながら風に当たるしかない状況だもの。


私が新宿コマ劇場で見たなかでは、高橋由美子主演の「アニーよ銃をとれ」がいちばん面白かった。シアターアプルで見たものでは、桜田淳子主演の「アニーよ銃をとれ」がよかったな。