NEOエンターテインメントバレエ「くるみ割り人形」を観劇

博品館劇場で、NEOエンターテインメントバレエ「くるみ割り人形」を見た。

1月5日(金)の公演は、午後7時開演。
上演時間は、15分の休憩含めて、1時間50分。(5日の終演は、8時52分頃だった)

公演プログラムは、1000円(サイズが大きいので、持ち運びにはちょっと不便)。表紙込みで12ページ。掲載の写真は白黒。せっかく稽古中のスナップが掲載されているのに、写真が小さいのが残念。

10ステージある今公演では、3パターンの配役が告知されていて、↓
http://www.hakuhinkan.co.jp/contents/theater-nutscracker.htm
ロビーには、配役表も置いてある。


開演前のロビーには「未来のドール」がいて、サービス的なパフォーマンスなのかと思っていたら、このロビーからストーリーがはじまっていて、開演時刻が近づくと、ドロッセルマイヤーが出て来て、舞台で展開するお話にもつながる(見ていなくても別に問題はありませんが)。
未来のドール役の前根奏子さんは、6年生だそうな。


さて、舞台は、すばらしく面白い!年明け最初の観劇から、こんなに楽しい舞台を見てしまったら、今年1年、もうこれ以上のステージには出逢えないのではないか、と思うくらい。

いわゆるバレエの「くるみ割り人形」とは、かなりおもむきがちがっている。ドロッセルマイヤーが導くクララの夢の世界、という大枠は踏襲しているが、くるみ割り人形とネズミの戦いがそれぞれのロボットの対決になっていたり、少女のクララと未来のクララの対置(幕開きに、下に未来のクララがいて、上で子役のクララと未来のパートナーが向き合うトライアングルが象徴的で、いい)など、ストーリーはオリジナルのようだ。
クラシックバレエの「くるみ割り人形」で見せ場になる第二幕の踊りも、趣向がすっかり変えられている。

セリフが少しあって、うたも入ったりと、ミュージカルふうの味付けがあるステージで、バレエというよりも、まさに、14人の出演者によるダンスエンターテインメントといった感じ。
小泉奈々ちゃんのクララは、一幕ではマイクを付けている(ちびソロがある)。

もともとがミュージカルや芝居の観客である私にとっては、これは非常に楽しい作品で、おなじみの音楽とともに、あっという間の2時間弱。見終わるのがもったいないほどだ。


子役の出演シーンの多さも、格別。メイクがバレエのそれではないから、クララ役の小泉奈々ちゃんの表情もナチュラルで、かわいく、その愛らしさを堪能出来るし、やんちゃそうで愛嬌のある肝付瑠生くんのフリッツも面白い。

一幕で、懐中電灯を持ったフリッツが、窓の外へ投げられたくるみ割りロボとネズミロボを探しに行くところからの展開が、なかなかいい。
(「アドベンチャっていて、スルリがある」…って、これは竹中直人の匙かげん2『そう。』のネタ。ちょっと書いてみたくなった、「スルリ」ってね(笑))
フリッツを探して客席へおりて行くクララのお芝居も見どころ。クララとフリッツが着る、あのレインコートがまたなんともいえない。

二幕でのクララは、夢の世界に迷い込んだ少女という居方をしているから、不思議の国のアリスのイメージでもあり、クララを通して舞台上のダンスシーンが楽しめる。クララやフリッツが生まれて家族になる様子や、未来のクララがパートナーと結ばれるところをダンスで見せてクララの成長をえがく他に、ドロッセルマイヤーと黒の女王との脇筋を絡ませている。

二幕の最後に、クララが呼ぶと、ちゃんと、ふたつのロボを持ったフリッツが戻って来る収め方は、ファンタジーの常套を踏むようだった。

一部設定が中途半端な気がするとか、振付の意味が分かりづらい箇所もあるのだが、そんなことに関係なく楽しめるのは、ストーリーの中心にクララがいて、踊りにもドラマ性があるからだろう。

15分の休憩時間には、ロビーに、未来のクララとドロッセルマイヤーが出て来るので近くで見ていると、おもしろい。


プログラム掲載のプロフィールによると、ママや黒の女王役の小野真理子さんは、「ライオンキング」に出ていたとあるから、2004年頃に女性アンサンブル12で出演していた小野真理子さんなのだね。(サラビの意見はどうかしら)


1月7日(日)にも見たのだけれど、7日は、ネズミロボと(フリッツが変身した)くるみ割りロボの戦いのとき、クララがネズミロボのバッテリーを外す前に、バッテリーが取れて落ちちゃったり。
その7日は、カーテンコールの幕がいちど閉まってから、西島さんと西田さんが幕前に登場し、そのあとにもういちどオールキャストのカーテンコールがついた。休日だからかな?お客さんも、5日よりたくさん入っていた。

それにしても、クララ、かわいい!!フリッツの「しゃちほこ」も印象的。



演出・振付・作詞・出演: 西島千博/歌唱指導: 呉富美/ナレーション: 渡辺真理

出演: 西田佑子 桑野東萌 三木雄馬 小野真理子 山本庸督 後藤いずみ 山田洋平 上瀧達也 高橋綾乃 小松由佳 前根奏子/小泉奈々 肝付瑠生

企画製作: 博品館劇場 オフィス・トゥー・ワン


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このブログ内の関連ログ
http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20070120/p1 [追記]
http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20061212/p1
http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20061208/p2