黒沢ともよちゃんが歌舞伎に!



国立劇場大劇場で、

劇団創立75周年記念 前進座5月国立劇場公演

 を観劇。



5月22日(月)は、前進座創立記念日

4時30分開演の夜の部で、終演後に記念セレモニーを実施するとの告知があったので、それも目当てに、この日の観劇。



公演プログラム、1000円。



子役は、

通し狂言「謎帯一寸徳兵衛」の団七娘お市に、桑島由布里・黒沢ともよ(ダブルキャスト)。

「魚屋宗五郎」の酒屋丁稚に、森久保大河・平田敬士(ダブルキャスト)。



なんと!黒沢ともよちゃんが出てるよー!

こういうのを、気づくのが遅かりし由良之助、っていうのだな。

観劇した回は、黒沢ともよちゃんではなかったから、こりゃ、大阪行きを反故にしてでも、見たいものだなァ。





さて。

「謎帯一寸徳兵衛」って、面白い狂言だね。



子役のお市も出番が多く、子役を見る楽しみもあるし、何より大島団七(嵐圭史)の悪人ぶりが、たまらなくいい!

助太刀名目でいっしょになった女房のお梶(河原崎國太郎)を、女郎に売ろうとしていさかいになり、止めに入った娘のお市がじゃまだてしたものだから、誤ってお梶の顔に傷をつけ、疵物は売れぬといわれりゃ、それなら娘を身代わりにと、実の娘のお市を売ることにして、哀れお市は縛られて、駕籠に押し込められて、えっさかほっさか、さあその運命やいかに…。



団七によるお梶殺しの場も、見応えたっぷり。本水の雨が降って来るのだけれど、殺し終わるとさっさと止んじゃう雨が、おもしろい!蛙もゲロゲロ騒がしく、斬られたお梶が後ろ向きに、井戸へ落ちる最期も、歌舞伎らしくて、わくわくするわいなァ。



大詰の洲崎土手は、吾妻屋徳兵衛(中村梅雀)とお辰(國太郎、ニ役)が団七を待ちうけ、立ち回りあったところで、「ぜん志んざ」って傘も居並び、お約束な幕切れ。

ま、創立記念日でめでたいということで。



前進座の歌舞伎に出る子役は、普通にセリフをしゃべっているから、大歌舞伎みたいな独特の子役調のセリフの愛らしさや雰囲気は薄く、そのあたりは「一寸」物足りない。



最初の幕間の後、二幕目がはじまる前に、

中村梅之助による創立75周年記念「口上」が入る。

梅之助丈は、前進座創立の際は、1歳だったとのこと。

おおよそ劇団の歴史を振り返り、80周年へ向けてよろしく請い願い上げる内容。





極め付けと評判の、「魚屋宗五郎」は、存外に、面白くなかった。

全体に大仰で、宗五郎(梅之助)の哀しみがあまり切実に伝わって来ない。下座音楽が、チンドン屋みたいににぎやかな調子だったし。(歌舞伎座で見た、坂東三津五郎の宗五郎のほうがずっとよかったな)



とはいいつつ、中村梅之助丈、魚屋宗五郎を演じてちょうど400回で、まずはめでたいということで。





昨年の国立劇場公演より、歌舞伎らしい演目なのは、楽しい。



・・・といったところで、本日はこれぎり(終演後のセレモニーなどについては、また思い立ったら、別項にて)。