春期限定いちごタルト事件
米澤穂信「春期限定いちごタルト事件」(創元推理文庫、580円税別)。
これ、面白いね。
いわゆるライトノベルには関心がないけれど、新幹線のなかで読むにはいいかな、と思って買ったら、新幹線に乗る日が来る前に読んでしまった。主人公ふたりの「互恵関係」というのがおもしろいし、きっちり報復を果たす結末が快い。
つづけて同じ著者の「犬はどこだ」(東京創元社、1600円税別)。なかなかにこわい結末が、効いている。ただ、古文書に関する依頼には無理があって、小説のつくりが表に出てしまっている。
探偵のチャット相手は何者なのか、という謎が残っているので、続編があるのか?
ライトノベル出身作家のミステリーということで、次に、
桜庭一樹「少女には向かない職業」(東京創元社、1400円税別)。
推理小説としては物足りないが、中学生の女の子を描いて、これは上手いと思わせるところに、読み応え。つまらない終わり方をするのが、ちょっと残念。
・・・このなかでは、文庫書下ろしの「春期限定いちごタルト事件」がいちばん。