作者を探す六人の登場人物 (KAAT神奈川芸術劇場 中スタジオ)
KAAT神奈川芸術劇場プロデュース
「作者を探す六人の登場人物」
作:ルイージ・ピランデッロ
翻訳:白沢定雄
上演台本・演出:長塚圭史
11月4日(土)に、13時開演の回を見た。
開場が15分遅れで、12時45分になっていた。
ここの中スタジオでの観劇は、はじめて。
整理番号順(10番ずつ)の入場。
客席の最前列は、端のほうの数席以外は劇中でキャストが使用する座席になっていて、着席不可。2列目にも2席だったか(?)、キャスト使用で着席不可の席があった。
整理番号は、40番代で、前方の見やすい席に座れた。
この劇場の主催公演は、いつも、無料パンフやチラシは袋に入れて配付しているのかな。大スタジオでの若手舞踊公演のときもそうだったが。
上演時間は、休憩を含めて、2時間20分。
この「作者を探す六人の登場人物」は、戦前に書かれた、けっこう旧い戯曲なのだね。日本でもすでに戦前に翻訳上演されていた模様。内容に関しては、ほとんど予備知識なく、今回の舞台を見た。
登場人物たちの5人が黒い服を着ていたのは、あれは喪服なのだって。
男児(みのり)、女児(藤戸野絵)は、どちらもしゃべらなくて(セリフのない役で)、ちょっとびっくり。ふたりとも登場人物としては死んでいる(死ぬことになっている)から、話せないということらしい。
女児っ子が劇中で(セットの)池に入って、その後、カーテンコールになって池から出て来たが、あれって、カーテンコールまでずっと池のなかに寝ていたの?(私の席からは池のなかは見えなかった)
虚構のなかでの事実を生きることを求める登場人物たちとの対比で、役者が登場人物を演じて、観客に見せるために創られる演劇が、いわば二重の虚構になっていることが見えて来るのがおもしろい。
「作者を探す六人の登場人物」である6人(+他にもひとり登場人物が出て来る)と、6人に「乱入」される側の劇団の演出家や役者たちとでは、どう見ても、6人の登場人物のほうが、演じ甲斐がありそう。
役柄の比重でいえば、父親(山崎一)と継娘(安藤輪子)が、主演的なポジション。