二兎社公演「書く女」(キラリ☆ふじみ メインホール)


二兎社公演40「書く女」

作・演出:永井愛
作曲・ピアノ演奏:林正樹

 過去ログのこの(→http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20150908/p4)公演。

1月21日(木)〜の世田谷パブリックシアター公演に先駆けての、きらり☆ふじみでのステージを観劇。

1月17日(日)14時開演。

上演時間は、2時間45分(休憩15分を含む)となっていたが、この日の終演は、17時01分ぐらいだった。


実質的な初日だから、時間が押すのは、仕方ないのかも知れないが、終演後のアフタートーク(登壇は、永井愛、木野花。&聞き手)は、帰りのバスの時刻もあって、パスすることにした。そういえば、昨年6月に、同じキラリふじみへ、県立芸術総合高校舞台芸術科の公演を見に行ったときも、帰りのバスのことを考えて、フィナーレ(だったかな?)は見ずに会場をあとにしたのだった。
(大宮駅西口←→富士見ららぽーとの路線バスは便利だけれど、本数は多くないから、ひとつ遅らせると、帰りの足に影響しちゃう)

公演プログラムは、700円で販売していた。プログラムにある「年譜」は、観劇の参考になる。でも、無料配付のパンフレットもあるので、買わなくてもいいかも?

キラリふじみ メインホールでは、ボランティアスタッフという高齢のひとたちがもぎりや案内係などをしていたが、なんだかアマチュアの発表会を見に来たみたいな気持ちがしてしまって、あまりこういうのは賛成出来ないな。


今回の「書く女」は再演だが、キャストを一新しての上演とのことである。

「書く女」は、樋口一葉と、その母、妹、師である半井桃水、一葉や妹の友人というべき文学娘たちや、交流のあった青年文士らを次々に登場させながら、それら人物たちとのやりとりを通して一葉の作家としての成長がえがかれて行く。作家・樋口一葉の輪郭を観客に提示するという意味ではよく出来ているのだけれど、一葉と、交流のあった人物たちとの関係が時系列的に綴られて行く流れは説明的で、芝居としては単調に感じられる。一葉を中心に置いて、他の登場人物たちがその衛星的に配置された構図にも見える。

一葉と半井桃水との関係のえがき方は見どころであるはずだが、物足りなくもあった。後半の青年文士たちとの交流も、むずかしいことをいっている訳ではないのに文学論調な印象で、ドラマとしてもう少しおもしろく出来そうなのに、との不満もおぼえた。

音楽は、舞台上でピアノを生演奏するが、音楽劇にはなっていない。

清水葉月さんがうたうシーンは、あった。


樋口一葉の評伝劇といえば、井上ひさし作の「頭痛肩こり樋口一葉」が有名だが、「書く女」とどちらかといえば、「頭痛肩こり」のほうが芝居としてのおもしろさがある。


[出演]

樋口夏子(一葉): 黒木華

半井桃水: 平岳大

樋口くに: 朝倉あき
い夏(伊東夏子): 清水葉月
野々宮菊子: 森岡光(不思議少年)
半井幸子: 早瀬英里奈
田辺龍子(花圃): 長尾純子
平田禿木: 橋本淳
川上眉山: 兼崎健太郎
馬場孤蝶: 山崎彬(悪い芝居)
斎藤緑雨: 古河耕史

樋口たき: 木野花