水谷八重子Presents 朗読新派「大つごもり」(麻布区民センター 区民ホール)


12月14日(土)は、麻布区民センター 区民ホールで、

水谷八重子Presents 朗読新派「大つごもり」

(原作:樋口一葉、脚色:久保田万太郎、現代語訳:島田雅彦、補綴・演出:成瀬芳一)

を見て来た。

配役や公演情報は、過去ログに(→http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20131211/p2)


会場は、はじめて行くホールだったが、地下鉄の六本木駅からは思ったより近くにある。地階にある小ホールである。

朗読新派「大つごもり」は、タイトルからして年末に相応しい企画だが、今年で、11年目になるという。

上演時間は、1時間20分ぐらい。


これは、おそらく、もともとある久保田万太郎の脚本に、原作の朗読を付け加えて潤色して、「大つごもり」の実演と原作の味わいを融合させた舞台、なのでしょう。
朗読は、「明治の詠み人」が原作の文章を読み、「現代の詠み人」は現代語訳で読んだり、むずかしい言葉を現代ふうに言い換えて説明するかたちで、進行。

小説「大つごもり」の冒頭の朗読ではじまり、「大つごもり」の芝居(実演)になり、芝居の結末に朗読が被さって締めくくられる舞台。芝居の途中にも要所で詠み人が登場して朗読や解説が挿入され、それが芝居の場面の補足にもなり、いまの感覚では分かりづらい言葉の理解を助けたりという趣向で、これがなかなかに効果的であり、おもしろい。

芝居だけだと、ただ見て、セリフを聞き流してしまうところを、その部分の原作の文章が朗読されることで、なるほど、そうか、と思ったりするのだ。


久保田真琴ちゃんの三之助は寒そうな演技、男の子役から変わっての初代は、着飾ってかわいい山村家の末のお嬢さん役。二役が楽しめた。

(そういえば、久保田真琴ちゃんって、前に、みつわ会の「水のおもて」に出ていたっけね)




参考までに、樋口一葉「大つごもり」(青空文庫)
http://www.aozora.gr.jp/cards/000064/files/388_15295.html