通し狂言「伽羅先代萩」の子役 他


国立劇場11月歌舞伎公演「通し狂言 伽羅先代萩」〜花水橋、竹の間、奥殿、床下、対決、刃傷〜


国立劇場大劇場で、初日(11月2日)に観劇。

12時開演で、35分と25分の幕間があって、初日は4時37分ぐらいに終演。

公演プログラム、900円。上演台本、600円。資料集、1300円。・・・資料集は買わなかった。

(プログラムの演目解説ページには、「樅ノ木は残った」の平幹二朗の写真が載っていたりする)

出演の子役は、

足利鶴千代: 阿部壮真・日下部大智 (交互出演)
千松: 河城英之介・廣田礼王恩 (交互出演)
勝元の小姓: 加來真之介・坂本達哉 (交互出演)


乳人政岡は、「竹の間」が扇雀、「奥殿」が藤十郎

以前に扇雀が八汐を演ったとき(あれは「裏表先代萩」だったか)の印象が残っているせいか、竹の間の政岡が、どこか悪役っぽく見えてしまったのは私だけだろうか。

「奥殿」は、飯炊きはなし。千松が八汐に刺されたときは、政岡は鶴千代を打掛に庇うのではなく、鶴千代を上手の部屋へ逃がして、上手にいた栄御前は下手へ座を移し、政岡は上手側の柱につかまって立つという、最近の山城屋でおなじみのやり方。

(これが「伊達の十役」だと、竹の間はない代わりに、「奥殿」に鳶の嘉藤太が出て政岡と絡んだり、雀が来て千松が唄ったりと、飯炊きがなくても意外と盛りだくさんな感じがするので、「先代萩」と見較べてみると、改めて、「伊達の十役」の奥殿は上手くつくってあるのだなぁ、と思う)

国立劇場では、「竹の間」が出るのは今回がはじめてで、以前には、序幕として「高尾丸船中」を上演したことがあるとのこと。高尾丸船中の場って、おもしろそう(もし機会があれば、見てみたいな)。

「床下」でのネズミは、花道ですっぽんに頭からとび込むのではなく、迫りに乗って降りて行った。近頃は、連判の一巻を咥えたねずみは、迫りで下がるのが流行りなのかな。

今月は、歌舞伎座だけでなく、この国立劇場公演も役者が揃っているが、「対決」「刃傷」では、渡辺民部(国生)、山中鹿之助(虎之介)、笹野才蔵(梅丸)の若手3優が見どころ。


鶴千代君は、阿部壮真くんでしたが、初日の千松は、あれが河城英之介くんでしょうか?(河城英之介くんて、近年の歌舞伎公演では常連子役のひとりですが、ちゃんと見たことがなくて…)

往きは、日比谷公園前からタクシーに乗ったところ、日曜だったからか、あっという間に着いて、初乗り料金だった。帰りは劇場バスで有楽町まで。この日の劇場バスは空いていて、窮屈な思いをしなくて済んだのは何より。




ところで、11月15日(土)に、午後3時30分開演〜(2時30分開場、5時終了予定)、第49回国立劇場伝統芸能サロンとして、

中村芝喜松「私の歌舞伎修業 そして 恩おくり〜師 中村芝翫との37年〜」

が、国立劇場伝統芸能情報館3階レクチャー室で、開催される。
http://www.ntj.jac.go.jp/topics/tradition/26/49-37.html

国立劇場第二期歌舞伎俳優研修修了生で中村芝翫丈に入門し、いまや成駒屋の最長老として活躍している中村芝喜松丈を講師にお迎えいたします。芝喜松丈の歌舞伎との出会いから研修生時代、入門から現在までのお話を、師匠中村芝翫丈への想いを込めた“芝喜松のチョットいい話”として語っていただきます。』

先着120名で、入場無料、予約・事前申し込み不要。今月の「伽羅先代萩」に腰元役で出演中なので、その出番が終わった後にやるということですね。