初春花形歌舞伎「壽三升景清」(新橋演舞場)


1月18日(土)と24日(金)に、新橋演舞場で、

初春花形歌舞伎「通し狂言 壽三升景清(ことほいでみますかげきよ)」
 脚本:川崎哲男 松岡亮
 振付・演出:藤間勘十郎

を見た。いずれも、昼の部。

悪七兵衛景清が主人公の歌舞伎十八番の4演目「関羽」「鎌髭」「景清」「解脱」をひとつの通し狂言として構成、脚色したもの。

上演時間は、幕間休憩を差し引くと、トータルで2時間27分と歌舞伎公演にしては短めで、11時開演の昼の部だと、2時半前に終わったが、新春公演にふさわしい肩のこらないおもしろさ。いちど見たあと、廉価で見やすい席がタイミングよく取れたので、24日には再見も楽しんだ。道化のなまず入道(獅童)がえらくおもしろいし、人丸ちゃんの禿がかわいい。

大詰の「解脱」の場にだけ、「三升席」と称して、舞台上に客席が設けられ、これが2000円で売り出されていたが、上手側・下手側ともに14席(当初は12席だったが2席が追加販売された模様)。余談だが、24日昼の部では、上手側にひとつ空席があった。解脱の場は、約14分である。


舞台写真は、市川福太郎くんの写っているのが2点出ていたので(他に背景になっていてピントが合っていないものもあったが)、1枚ずつ購入。ひとつは、都六波羅大牢の場の人丸で、母・阿古屋(芝雀)といっしょの写真。もうひとつは、解脱の場の飛天で、景清(海老蔵)との写真。

福太郎くんの役は、景清と阿古屋の間に出来た子・人丸と、解脱の場の飛天。阿古屋は傾城なので、娘の人丸はその禿になっている。景清の詮議のため、阿古屋が六波羅に呼び出されるが、花魁道中して行くことになり、阿古屋ともども、禿の人丸も道中のときには拵えを替えて出て来るのが見どころのひとつになっていた。2役での出演だが、3役見たような気分になれる。

魁道中といえば、阿古屋の道中の前に、傾城の3人が順に(京妙→京紫→京蔵)、奴たちに道中でのやり方をレクチャーするのがおもしろいのだが、6人いた奴が、24日に見たときは、ひとり少なくて、5人になっていた。途中で、中間役の役者さんが休演しちゃったのでしょうか?(くまモンの顔をしていた奴がいなかった)


それにしても、秋山悠介くんの声は絶品といっていいくらいにきれい。岩永(市蔵)に蹴られる人丸、っていう図が、けっこうツボ。

なお、カーテンコールがあった。