SEMPO 〜日本のシンドラー 杉原千畝物語〜(新国立劇場 中劇場)


ミュージカル「SEMPO」―日本のシンドラー 杉原千畝物語― 2013

演出・振付:上島雪夫
作曲:中島みゆき、吉川晃司、PETER YARIN、脇田崚多郎
脚本:川崎登


新国立劇場中劇場で、9月26日(木)のステージを見た。

生演奏で、オーケストラピット使用。

午後2時開演。

会場に掲示されていた上演時間は、第一幕 75分、幕間15分、第二幕 65分。

この日は、終演後に、出演者4名(鈴木ほのか、佐藤亜美菜、沢木順、司会:Kimeru)によるアフタートークがあって、それが終わったのが、5時5分か6分か、そのぐらいだったと思う。

公演プログラム、1500円。

「★」組のキャストの回で、男の子の子役は、

ソリー:河崎脩吾
弘樹:鈴木星

で、当初発表された予定どおりのふたりが出演していた。(トリプルキャストになった弘樹役も当初の予定の鈴木星那くんだった)


ライズ・プロデュースの公演は、今回、はじめて見たが、この「SEMPO」というミュージカルは、すばらしくいい舞台だ。

何より、主役(杉原千畝:吉川晃司)が、いい。演技は抑制的だがじつに骨太で、説得力がある。回り舞台を使ってテンポよく進んで行くステージは、陰影に富む見せ方が印象深く、主演者の存在感ともあいまって、重厚とも感じさせる。

舞台における時代背景の説明や杉原千畝の置かれた状況を、キャストのセリフを通して、必要最小限かつ的確に伝えて、分かりやすいのが、またいい。国際情勢が緊迫するなかで、外交官として諜報の最前線にいたこともえがいているので、スリリングに展開し、そこに、偉人伝にとどまらない奥行きと、ドラマとしてのおもしろさが加わっていた。


ソリー役の河崎脩吾くんは、かわいい子で、ソロのうたもよくて、大いに満足した。6年生だし、男の子の子役としては、いちばんいいときに、この役に出逢ったといえるのでは。

第二幕で、ソリーではない役で出たとき(あれは、主人公の少年時代のイメージかな)に、杉原のデスクにある電話の受話器を落とした。どうするのかな、と思って見ていたが、とくに支障なく、そのまま舞台が回って次の場に移った。


平日の昼公演だったからかも知れないが、年配のお客さんも多くて、新劇の客席に近いようなところも見受けられた。「杉原千畝」という題材が、ミュージカルファンや出演者のファンだけでない幅広い客層を呼んでいるということだろうか。

(河崎脩吾くんをもう1回見たいと思ったが、すでに公演日程も終盤で、再見はかなわず。もっと早い日程のチケットを買っておくべきだった、と後悔)