「日本橋」(日生劇場)の子役


坂東玉三郎特別公演「日本橋

(泉鏡花 作、齋藤雅文 演出、坂東玉三郎 演出)

12月3日(月)初日〜12月26日(水)千穐楽日生劇場


出演中の子役は、下記のとおり。各役とも、ダブルキャスト


五十嵐伝吾の娘 千枝子: 日下部大智・舌間綿花満

苛めっ子: 吉村海・知念輝
苛めっ子: 小嶋一星・池田健
苛めっ子: 廣田伊功磨・李泰我
苛めっ子: 石井義之・原口智照
近所で遊ぶ子供: 北村悠吾・高橋飛和
近所で遊ぶ子供: 藤永善優弥・廣田礼王恩




過去に新派が上演したときの上演記録をいくつか見ると、第四幕の「檜物町小紅屋前」の場に出る子どもは、大人の役者が演っていたりするのだが、今回の舞台では、子役で配役されている。

この「苛めっ子」というのは、お千世(斎藤菜月)をいじめる男の子たちで、悪童と書かれることもあることに、なるほど納得である。たとえていえば、「お夏狂乱」でお夏をからかう里の子と似たような役回り。

また過去の上演記録を見ると、清葉の娘でお通という役もあるようだが、今回の舞台には清葉(高橋惠子)の娘は出て来ない。


この公演では、プログラム(1500円)のスタッフ欄に、

『子役指導 花柳貴静春』

とクレジットされている。


子役指導としてプログラムにこの名前がクレジットされているのは、私ははじめて見た。近年の、播磨屋(中村吉右衛門)さんの公演で子役指導をしていたのも、この方だったのでしょうか?

さて、花柳貴静春さんというのは、どんなひとかと検索してみると、教室案内のこのページが出て来る。
http://tokyo.l-ma.jp/tokyo/%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%AB/4521.html

『元SKD(松竹歌劇団)という経歴』。

中央区築地で、歌舞伎舞踊教室(華春会)を主宰する。『踊りや唄、芝居などの歌舞伎舞踊を指導している花柳貴静春先生の教室には、子ども歌舞伎の出演者など、「歌舞伎のお稽古をしたい」という子どもたちが沢山集まっています。』

『小さな歌舞伎役者の育成にも熱心で、舞台に立つチャンスを提供することもあります。』

とのことだ。




日本橋」初日(午後6時開演)の上演時間は、

一幕、二幕 6時00分〜7時05分
 幕間20分
三幕 7時25分〜8時10分
 幕間10分
四幕 8時20分〜9時05分

となっていた。

3日の終演は、9時08分ぐらいだった。

カーテンコールには、5人出て、玉三郎丈を真ん中に、下手側から、松田悟志(葛木晋三)、永島敏行(五十嵐伝吾)、坂東玉三郎(稲葉家お孝)、高橋惠子(瀧の家清葉)、藤堂新二(笠原新八郎巡査)。


中村京妙丈の芸妓千鳥が、おもしろいな。歌舞伎以外の舞台で見るのは、はじめてかも。

また、この「日本橋」では、場面転換の間に幕を下ろさず、役者が演技をしている後ろで、あるいは、薄暗い舞台の上で大道具の出し入れが行われるのも見どころ。舞台奥から屋台が出て来たり、橋が出来たりといった諸々を、見せている。淡いピンスポットが当たったままのキャストが、大道具といっしょにはけるなど、おもしろいシーンもあった。