ロディ・ミュージカル2012 (前進座劇場)


「Rody Musical ロディ・ミュージカル 2012」
http://www.jammy-inc.com/rodymusical/

脚本:山脇唯 永野宗典(ヨーロッパ企画)、演出:小林顕作


7月22日(日)に、前進座劇場で、13時開演の回を見た。

ロビー掲示の上演時間は、1時間30分。途中休憩なし。じっさいは、終演が、14時40分ぐらいだった。

プログラムの販売は、なし。チラシは、ロビーにあった。そのチラシには、『※追加公演の予定あり』なんて書いてあるけど、追加公演は結局ないのだよね??


出演は、小林星蘭(ロディ)、伊藤梨沙子(シャーリー)、秋元龍太朗(ジョニー)、内舛聖矢(ヘンリー)、熊谷力丸(チャム)、佐藤貴史(マキシム先生)、澤田育子(ママ)、脇知弘(校長先生、友情出演)、恵畑ゆう(パパ)


今回も、マキシム先生役の「ノーモア映画泥棒」のパロディからスタート。

前半はロディたちが校長先生の銅像を壊しちゃってのドタバタがメインで、後半は「のろま」なことを気にするロディがマラソン大会でがんばるという展開で、これに、ロディとパパ、ママの家族のエピソードを織り交ぜる、という大筋は、一昨年の濱田龍臣くん主演版と同じだが、細かい部分はかなりちがっているので、単なる再演ではなく、新しい2012年版といったところ。

全体に、今回公演のほうが、ミュージカルらしさが増していた(うたも増えていたよね)。ロディのパパが、ママやロディに内緒で仕事を辞めてしまって非正規雇用になっている、という設定にも新しさ。


会場が前進座劇場とあって、回り舞台や花道を使用する演出が、うれしい。前進座劇場は閉館が決まっていて、もしかしたら、この劇場で観劇するのは、この日の「ロディ・ミュージカル2012」が最後になるかも知れないと思っていたこともあり、少しくの感慨があった。黒衣が登場するのも、歌舞伎を上演する劇場を意識したものだろうか。ご当地ネタ(?)もあったが、吉祥寺に詳しくないと、ピンと来ない。

濱田龍臣くんのときは、ボールとって下さいって、お客さんと何度もやり取りしていたが、小林星蘭ちゃんは、1回だけ、ほとんどひとり芝居のようにしただけで、お客さんとのやり取りらしいものはなかった。
お客さんとのロディ人形送りゲームは、今回もやっていた。


最初に、小林星蘭ちゃんが登場したとき、思った以上の小ささに、まずびっくり。何よりもロディの扮装が似合ってのかわいさが魅力。

「年下の男の子」をちょこっとうたったあとに、CD発売の告知をするところがあったが、マキシム先生が、星蘭ちゃんはアドリブも利くようになったといっていたから、告知はアドリブだったということかな?

ただ、ロディにセリフや動きのないところでは、まだ小学校低学年ということもあろうけれど、表情が抜けていたり、舞台の上からお客さんを見ている(1、2列目の座席にいると、舞台の上から星蘭ちゃんに見られちゃう感じ)ことも多い。とはいえ、それも、ナマのステージならでは。作品そのものの楽しさと、売れっ子子役が主演するおもしろさは充分。

伊藤梨沙子さんの溌剌としたシャーリーは好感度が高そう。ロディが小さいこともあって、こちらは、しっかり感がある。


それにしても、「ロディ・ミュージカル」って、舞台のおもしろさに較べて、前回も今回も、どこか小ぢんまりと上演しているような印象を受けた。(良席が買いやすいのはうれしいから、別に不満という訳ではないが…)