王様と私 (ゆうぽうとホール)


映画演劇文化協会 主催
ハロー・ミュージカル!プロジェクト
ミュージカル「王様と私

ゆうぽうとホールで、7月4日(水)の昼の部を観劇。

午後1時開演。この回の終演は、3時53分ぐらい。幕間は、20分。


王様と私」を久しぶりに見て、とてもおもしろかった。前回見たのは・・・もう、23年前で、今回と同じ松平健主演。記憶も曖昧になっていたが、オルトン船長(園田裕久)が当時と同じ配役だったのは、懐かしい。

かつては退屈だった2幕の劇中劇を面白く見られたり、西洋文化の受容や近代化が避けられなくなった時代の王の苦悩にも感情移入出来て、しみじみ、いい舞台だなぁ、と思った。

ミュージカルとしては古典的な作品なのに、テンポのいい運びが新鮮に感じられ、「Shall We Dance?」の名曲ぶりをも改めて味わった。

1、2幕とも、まだ客席が明るいうちから場内に序曲が流れて、これがけっこう長いのだが、その序曲の間に、観客のおおかたも着席し、客席も暗くなって、いいタイミングで幕が上がり、観客の気持ちを舞台の世界へ誘う。生演奏でないことを逆手に取っての、上手いやり方。

カーテンコールは盛況で、なかでも、主役ふたりの「Shall We Dance?」の踊りは、ずい分と盛り上がった。


公演プログラムは、3つ折りのものが、入場の際に配付された。ツアー公演共通のようである。チケットが廉価なことに加えて、これも良心的だが、簡易なものなので、さすがに詳しい配役までは載っていない。


出演の子役はすでに発表されていたが、改めてテキストに起こしておくと、以下のようである。


ルイス: 上白石萌音石井日菜 (ダブルキャスト)
チュラロンコン王子: 中村ルミーナ・春原早希 (ダブルキャスト)

王子・王女(東京2チーム、東北2チームでの交互出演):

[空] 黒木理羅 柴入拓矢 菅野花音 永利優妃 吉井乃歌 大西由馬 堀田夢乃 陣あいり
[海] 加瀬みれい 伊藤涼介 柄沢怜奈 渡辺さき 古口貴子 藤巻勇威 石井恋 田邊瑶子

[青葉] 鈴木遥名 藤島太陽 阿部菜々実 遠藤珠梨 葛岡有 佐々木悠 藤原海来 岩屋リカ
[七夕] 穂積愛 小堀薫平 下野綺音 曽我栞里 荒井百合香 佐藤凛太朗 遠藤雅奈 遠藤里恭


王子・王女役の名前の並びは、公式サイトに従った。これは役順になっているのだろう(プログラムの写真では、東北チームの双子役が上記と逆の並びになっているのは、少し気になるが)。

王子・王女役の子たちは、他に、町の子どもの役でも登場する。


青葉チームの女の子は、ここ(→http://morado.jp/cn8/girls_top.html)の所属の子が多いみたい。
七夕チームには、今夏のエステー赤毛のアン」に出演する子がいる(→http://www.st-musical.com/gokakusha_tohoku.html)


さて、7月4日昼の部。交互出演の配役は、

タプチム: 平田愛咲
ルイス: 上白石萌音
チュラロンコン: 中村ルミーナ
王子・王女: 海チーム


ルイスもチュラロンコン王子も、女の子が演じているが、しゃべり方や動きは、とくに男の子っぽくはつくらずに、むしろナチュラルに演じている。ルイスは、あまり男の子には見えないけれど、私は女優が少年を演じるときによくあるわざとらしさが嫌いなので、このルイスはそうならないのがいいし、何より見目良い。(そもそも、男の子らしさを要求するなら、最初から男の子の子役を起用すればいいのだから)

上白石さんて、姉のほうがかわいい、などということを発見出来る舞台でもある。ルイスの帽子がチャーミング。

中村ルミーナさんのチュラロンコンが、すばらしい。ゆえに、終幕の感動は、深い。

イン・ヤオラック王女の古口貴子さんはセリフも上手くて、期待通りに楽しめたし、伊藤涼介くんていう男の子が、かわいかった。この子、検索すると、上白石さんがヘレン・ケラーを演った試演会の「奇跡の人」に弟のジミーで出演していた模様。


チュラロンコンという王は、名君として名高いようだが、即位したのは15歳で、1868年というから、つまり、日本では明治維新の年に当たる。今月の帝劇の主役であるハプスブルク家の皇太子ルドルフは、1858年生まれだから、チュラロンコンは彼より5つほど年長になる。


プログラムには、アンナは紫吹淳さんが7代目、とある。ということは、越路吹雪那智わたる、草笛光子安奈淳鳳蘭一路真輝紫吹淳、ですね。

余談だが、チュラロンコンは、初代の岡崎友紀のあと、現・中村勘三郎(当時は勘九郎)や、その次には、現・清元延寿太夫(岡村清太郎)が演っているが、何歳のときだったのだろう、と思って調べてみたら、勘三郎は1968年11月の帝劇公演だから、13歳。延寿太夫は、1973年7月の帝劇だから、15歳(まだ14かな)のとき。