五月花形歌舞伎 昼の部


5月1日(火)に、新橋演舞場で、五月花形歌舞伎 昼の部を観劇。初日を見るのは、楽しいものがある。


「西郷と豚姫」と「紅葉狩」の間の30分休憩のとき郵便局へ行ったら、帰りに雨がどしゃどしゃ降って来て、ひどい目に遭った。次の25分休憩ではすっかり晴れていた。「女殺油地獄」でヌルヌルびちゃびちゃが飛んで来たらイヤだと思って、最前列を回避した身が、幕間の外出で雨に濡れるなんて、莫迦々々し過ぎた。

その「女殺油地獄」、初日は、最前列の真ん中ブロック(1階1列13〜24番)のお客さんにはびちゃびちゃ避けシートが配られていなくて(花道に寄ったほうの席のお客さんには配られていたみたい)、あれれ?今回はあの辺りの席にはびちゃびちゃは飛んで来ないのかな、だとしたら、

最前列中央の席を買わなかった私の立場はどうなるのか?!

などと思いつつ見ていたところ・・・やっぱりバシャッーと来た。やったぁ!あれは、きっと、最前列の席まで飛んだにちがいない、と見ていた私はよろこんだ(←もちろん、ひそかに、ひそかに)。「油地獄」はそうでなくっちゃ。終演後すぐに、係のひとがふたり、件の1列目の座席のお客さんのところに来て、拭くものを渡したりしながら対応していた。

さて、2日目からは、あの辺りの座席のお客さんにも、びちゃびちゃ避けシートが配付されているのでしょうか?次に行ったときに、様子を見てみよう。


それにしても、「女殺油地獄」はおもしろい。殺し場はいうに及ばず、家庭内暴力シーンにもわくわくする。使用人上がりの継父なんかは足蹴にしてやれ、もっともっと蹴とばせ〜、と思って見ているのは、絶対に私だけではないはずだ(笑)。もう、大興奮である!

いちばん気に食わないのは、兄の太兵衛って野郎だよな。あんなうぜぇ兄がいて、何かといっちゃあやって来ては、説教垂れやがるのだな、と。こりゃ、やってられねぇぜ。気立てがよさそうな妹のおかちにしても、実母と継父の間に出来た子だし、与兵衛としては、ぐれるしかないよな、と同情しきりなのである。
ま、だけど、与兵衛の喧嘩沙汰のとばっちりでまずは叔父が失職し、さらには強盗殺人だから、あの一家は破滅だ…

おさわが持って来た「ちまき」が、舞台の上で、なんとももの哀しく見えるのである。


「西郷と豚姫」は、私がはじめて歌舞伎座で歌舞伎を見たときにかかっていた演目のひとつなので、配役は異なるとはいえ、当時のことを思い出すよすがになるし、「紅葉狩」も面白いので、昼の部は大いに楽しめる。やんや、やんや。


いずれにしても、今月は、きっと石井晏璃ちゃんのお光を見るつもりなので、舞台写真が出た頃にでも、また昼の部を見に行く決意。