駄菓子屋エンジェル (全労済ホール/スペース・ゼロ)

全労済文化フェスティバル2012参加作品
SHOW-COMPANY の笑える大阪弁ミュージカル
「駄菓子屋エンジェル」

(音楽・脚本・振付:えーぱん、脚本・演出:阪上めいこ、振付:白垣京、原作:持木克規、アンサンブル指導:出岡奈津子)


3月30日から3日間、スペース・ゼロで、全5ステージ上演された、SHOW-COMPANYの3度目の東京公演。

3月31日(土)に、14時開演の回を観劇。


「駄菓子屋エンジェル」は、2008年8月に、初の東京公演としてシアターサンモールでも上演している、SHOW-COMPANYオリジナルミュージカル「NEXT DOOR」を改題したもの。「駄菓子屋エンジェル」というのは、もともと、「NEXT DOOR」のオープニングナンバーの曲名である。また、「NEXT DOOR」初演のときは、子役キャストが「駄菓子屋エンジェルス」としてクレジットされていた。

SHOW-COMPANYといえば、いまのところ、この「駄菓子屋エンジェル」と「天使の休日」が代表作ということになるだろうか…


今回のスペース・ゼロ公演の上演時間は、第一幕 55分、休憩 15分、第二幕 1時間10分。

2008年夏のシアターサンモール公演「NEXT DOOR」は、休憩なしでの上演だったが、今回の「駄菓子屋エンジェル」は、間に休憩を挟むニ幕ものとして構成してあった。


SHOW-COMPANYの過去2回の東京公演は、いずれもシアターサンモールでの上演だったから、開演前に、セットが組まれたスペース・ゼロの舞台を見ると、ステージの広さを感じた。

スペース・ゼロの客席は、前方から1列ごとに段差があって、見やすい設営になっていた。(何年前だったか、某ジュニアミュージカルをスペース・ゼロで見たとき、前方の客席に傾斜がなくて、見づらかったことがあった。シアターサンモールという劇場も、前方の座席は床がフラットなのだよね)


キャストは、

阪上めいこ(堀田薫)
阪野登(謎の男=いのち銀行の営業マン)

栃尾海佑(幸子)、山崎真実(町子)、一瀬裕実(アケミ)

武田真由美(とよ子姉ちゃん)、鈴木稚子(鈴子先生)、石川由希野(智子)、白垣京(綾乃)、前川裕子(純子)、金澤良子(良子)

白垣うの(みちこ)、鈴木琴葉(たかこ)、白垣杏(きみこ)、高森沙耶香(小百合)、中嶋莉香(ようこ)、中島幸乃(ゆきこ)、細井瑞希(しずこ)、細井柚季(ゆうこ)、荻島美那(みなこ)、谷口夏花(なつこ)、中村三彩子(みさえ)、村田梨緒(りえこ)


主役の薫と、いのち銀行の営業マンは、初演から不動の配役。

舞台となる駄菓子屋は「くんくん堂」と、以前の「薫薫堂」から一部がひらがな表記になっていた。

「NEXT DOOR」では、男性キャストだった、どでかい子どもの役は、今回は「吉永小百合(よしながこゆり)」で女性キャストになっていたが、これがかなりの怪演。

劇中の漫才は、2008年の「NEXT DOOR」のときと主ネタは同じ。子役の漫才は、2008年の東京公演で登場したミュージカルナンバーとも連動しているので、別のネタにするという訳にも行かないのかな。今回公演のみちこ・たかこは、ずいぶん小さい子が演っていた。
みちこ・たかこの漫才は、劇中で2回あるのだが、今回は、そのうちの1回をみちこ・たかこの母親役コンビの漫才にしてあった。


子役主演(幸子役)は、栃尾佑ちゃん。2010年の「アニー」に出ていた子だね。名前は知っていたが、私は、はじめて見た。当日まで幸子役の配役は知らなかったので、ミュージカル子役としてそこそこ知られている子がキャスティングされていたのには、ちょっと意外な気もした。
うたが上手で、とてもよかったし、プロのステージを踏んでいる子役という雰囲気が感じられる演技だった。


今回の「駄菓子屋エンジェル」は、2008年の「NEXT DOOR」と較べると、ミュージカルナンバーが2曲増えていて、どちらも幸子がらみのナンバー。ひとつは、「もう一度」という一幕での幸子のソロ曲。もう1曲は、ニ幕で、アケミが薫を刺してしまったところでうたわれる、幸子、町子、アケミたちによる「戦い」。

「もう一度」というナンバーは、舞台を見ていたときには、あ、新曲だ、ぐらいにしか思わなかったが、CDで聴いてみると、なかなかいいうたなのである。

なお、会場で販売していたCDには、新曲のうち「もう一度」は収録されているが、「戦い」は入っていない。


「NEXT DOOR」では、初演から幸子役を演じていた一瀬裕実さんが、アケミ(あけみ)役での出演。今回公演では、「愛してよ」を、幸子、町子、アケミの3人でうたっている。

「大阪のおばちゃん」でメインボーカルをとるようこ役は、小さい子が演っていたが、かわいい子だった。この役は、子役のなかでは、もうけ役だと思う(2008年公演の中川みのりちゃんのインパクトもいまだ大きい)。


今回の「駄菓子屋エンジェル」では、戦死した薫の夫・堀田政男が登場せずに、声だけだったのが、ちょっと残念。適当な出演者が見つからなかったのか。
あの「再会」シーンは、声を相手のひとり芝居でもそれなりに見せてしまえるものだと分かったが、過去に堀田政男が登場した舞台を見ていると、どうしても物足りなく感じる。


終盤の遊園地(ルナパーク)のシーンは、シアターサンモール公演のときには、迫りを使っていたのを思い出した。(あのシアターサンモールの迫りは、その後、故障して、直せないらしい)


観劇日の3月31日は、新宿近辺で、「午前中に映画の舞台挨拶付き上映 → 午後は駄菓子屋エンジェル → 夜は別の舞台を当日券で」という予定を立てていたのだが、ひどい突風に雨も降るという荒天で、夕方からの別公演は行かずに帰ることにした。

「駄菓子屋エンジェル」は、今回公演のDVDを申し込んで来たので、届くのが楽しみ。

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