ヒミズ


昨日(14日)は、新宿バルト9で、映画「ヒミズ」の初日舞台挨拶付き上映を見た。

朝の8時15分に出て、9時25分に映画館に着いた。10時〜舞台挨拶、続けて、本編上映。映画がはじまったのが10時半ぐらいだったと思うから、舞台挨拶+(報道陣の)写真撮影で30分近くかけていた。


登壇は、園子温(監督、脚本)、染谷将太二階堂ふみ(下手からの並びで)。どんなお洋服かな…と思っていたら、なんだかラフな格好。3人揃って、ヒミズTシャツを着用しての登場とのこと。


本編、129分。パンフレット、700円。

場面々々では映画らしい刺激や見どころがあるのだけれど、さほど面白くならないのは、この作品が、結局のところ、中学生の少年がどうしようもない父親を殺し、その後、自首するというストーリーに収まってしまうからだ。

父を殺した少年が、彼を慕う少女とともに、いかに破滅の道を突き進み、堕ちて行くのかが見たかったが、そうはならない。親に虐待されて生きて来た、若いふたりの抑えきれない衝動と、絶望の行き着く果ての荒涼をスクリーンにえがいて欲しかったのに、むしろ、道徳の枠を超えない常識的な終わり方になっていることに、強い不満をおぼえた。

映画の設定に震災を取り込んだ影響なのか、それとも、原作ものの限界か?せめて、主人公ふたりの年齢を高校生にしていたら、とも思う。

悪党や人間のクズを殺してやろうと、街をさまよう少年の行動が、逆に、イカれた犯罪者たちの凶行を防ぐことになってしまう件りは、あまりに哀しく、滑稽。園子温監督にしては、エロ度が薄いのも、期待に反している。