松本紘佳 with 東京交響楽団


11月27日(日)は、なかのZERO大ホールでの

フレッシュ名曲コンサート
飯森範親×青島広志 with 東京交響楽団
 〜WE LOVE チャイコフスキー

へ出かけた。

午後2時開演。


指揮:飯森範親
おはなし:青島広志
ヴァイオリン:松本紘佳
管弦楽:東京交響楽団


「WE ♡ラブ チャイコフスキー」のタイトルどおりに、チャイコフスキーの曲のみのプログラムで

演奏曲は、

[第一部] 40分
三大バレエ音楽より
「眠りの森の美女」〜“ワルツ”
白鳥の湖」〜“情景”
「くるみ割人形」〜“金平糖の踊り” “トレパック” “花のワルツ”

 休憩 15分

[第二部] 65分
「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35」
交響曲第5番 ホ短調 作品64」〜第4楽章
(アンコールで、弦楽セレナーデ)


ロビーでは、開演前から、おはなし(進行役)担当のブルーアイランド(青島)氏が、せっせと本を買ったお客さんへのサインに勤しんでいた。ときどき、今日、話をするひとです、と立ち上がって呼びかけ、ひとを集めてもいた。休憩中、終演後は開演前よりも繁盛していた様子。

ブルーアイランド氏は、週刊新潮に連載を持っているので、そのエッセイをときどき読んでいたが、生のステージでの司会やトークを聴いたのは、はじめて。

チャイコフスキーのエピソードの流れで、マエストロ飯森に、男のひとから好きといわれたことはありますかと訊いてみたり(答え:あるって)、松本紘佳ちゃんの演奏のあと、コンサートマスター(高木和弘氏)に感想を訊ねて、松本紘佳ちゃんへの嫉妬はありませんかと質問したり(答え:ないって)、
いちばん前の席でお子さんが足をブラブラさせると、指揮者よりもその足のブラブラに合わせて演奏してしまうことがあったりするので、最前列でのブラブラは止めて下さいね、とかもいっていたが、ホントかよ?!(笑)

とにかく、やたらと早口で、あわただしい話しっぷりで、面白いのかうるさいのか、微妙なところ。子どもの聴衆も想定したファミリー、初心者向けのコンサートだから、チャイコフスキーについてや、曲の解説も、なるべく面白くという意図なのだろうが、たとえばバレエ作品についての説明は荒っぽくて、笑うよりも首を傾げたくなるところも。

拍手をしましょうと煽ってもいたが、これは、結果的にはよかったと思う。ヴァイオリン協奏曲では、楽章間(第1楽章が終わったところ)でも客席から拍手が起きたのだが、ソリストの松本紘佳さんは浅めのお辞儀をしてそれにこたえてくれて、ファミリー向けコンサートらしい雰囲気にもなった印象。

コンチェルト演奏後は、松本紘佳さんへブルーアイランド氏によるちょっとしたインタビューもあった。


第一部で演奏のバレエ音楽は、どれも耳慣れた曲だけれど、バレエ公演だと、オーケストラはピットにいるからほとんど見えないので、ステージ上で演奏しているオーケストラを見ると、視覚的に、またちがった趣き。私のような素人には、このおなじみのフレーズはあの楽器が鳴らしていたのか、と改めて認識出来たりするのが、新鮮だ。
(で、チェレスタの値段は、結局、いくらなのよ。ま、別にどうでもいいのだけれど…)

ヴァイオリン協奏曲は、松本紘佳さんが、赤いドレスにポニーテールないでたちで登場。演奏中は、そのポニーテールの髪が、折にふれて、たゆたうがごとくに揺れるのであった。

今年は、松本紘佳さんのヴァイオリンリサイタルやオーケストラと競演のステージがいくつもあったのたが、3月に震災後のこととて行きそびれたことにはじまり、機会を逃し続けて、ようやくこの日に到った次第。

せめて、9月に、ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲を聴いていれば、この日のチャイコフスキーと合わせて、日本音楽コンクールの奏者との聴き較べという醍醐味があったのに、と思ったのは後の祭りというもの。


コンチェルトで、ヴァイオリンのソリストがよく見える席を選んで買っていたので、松本紘佳さんを見るにはバッチリの良席で、演奏を楽しんだ。

それにしても、このオーケストラのバスーンのひと(ファゴット界のプリンセスとかいう)は、相変わらず奇麗で、あんなひとがオーケストラにいたら、16歳のソリストも形無し、という気がしないでもない。あ、でも、私の席からは、バスーンのひとは、演奏中はほとんど見えなかった。