竹本綾之助
松井今朝子「星と輝き花と咲き」(講談社、1500円税別)
http://shop.kodansha.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=2163551&x=B
を読んだ。
明治時代に人気爆発した娘義太夫の(初代)竹本綾之助。
帯の惹句では彼女を元祖アイドルに、その養母(叔母)お勝をステージママに見立てていて、客席で騒ぐ書生たち「堂摺連」や、女義を追っ駆け回す「追駈連」など熱狂的なファンたちとの攻防戦、そして結婚、引退までをえがいている。
人物伝的内容で小説としてのおもしろさは不足だが、「五厘」と呼ばれる寄席と芸人の間を周旋するブッカーの存在がおもしろい。
「星と輝き花と咲き」を読了後、検索したら、青空文庫に
長谷川時雨「竹本綾之助」
http://www.aozora.gr.jp/cards/000726/files/45982_26593.html
があったので、読んでみた。両方読むとなるほどと思うところがある。
「星と輝き花と咲き」を読んだからこそ、長谷川時雨「竹本綾之助」を読む機会を得た訳だが、どちらかなら、長谷川時雨の作で充分という気がする。
今月、講談社の書き下ろしとしては、音楽ミステリー
奥泉光「シューマンの指」(1600円税別)
http://shop.kodansha.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=2163446&x=B
も発売されたようだから、近く読みたい。