江戸川乱歩賞の選評
第59回江戸川乱歩賞受賞作
竹吉優輔「襲名犯」(講談社、1500円税別)
http://bookclub.kodansha.co.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=2185091
これ、図書館のレファレンスサービスをミステリーに取り込んだところが、私にはおもしろかったな。著者紹介によると、じっさいに、図書館司書だとのことだが。
ところで、乱歩賞受賞作が単行本で刊行される際は、選考委員の選評が巻末に収載され、それを読むのも楽しみなのだが、今回の選評のなかでは、京極夏彦の
『小説は書き手の自己表現などではない。読者のために書かれるべきものである。』
という一節が、すばらしく格好いい。これぞプロの作家のいうことだ、という感じ。