舞踊への招待 目白三人の会〜3つのダンスの世界〜


9月2日(日)は、東京芸術劇場 中ホールで、目白三人の会〜3つのダンスの世界〜「舞踊への招待」を見た


この日は、名古屋へ行く予定でチケットも持っていたのだが、昼過ぎまで体が空けられなくなり、午後からはどう動こうかと、前日からあれこれ考えていた。

選択肢としては、
1.午後から名古屋へ行って、5時開演のステージだけでも見る。
2.新国立劇場で、午後4時開演の舞踊組曲「母子慕情 傾城阿波の鳴門より」を当日券で見る。
3.午後6時開演の「目白三人の会〜3つのダンスの世界〜 舞踊への招待」を当日券で見る。

他にも選択肢はあったが、上の3つに絞って、ぎりぎりまで考えていた。

結局、「1」は、往復23000円の交通費に照らしてワンステージの観劇ではもったいない気持ちになり、「2」は、当日券の有無を聞こうと問い合わせ先に電話をしたら某大学につながったが要領を得ず、月曜日(翌日)にかけ直してくれといわれ(!)、億劫な気分になり、地理的にもいちばん近かった「3」を見ようということに落ち着いた次第。乗車券と特急券は払い戻しをして、気持ちを切り替えた。


ということで、目白三人の会〜3つのダンスの世界〜「舞踊への招待」は、午後6時開演。
(過去ログのこれ。→http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20070715/p2)

端っこの席を選んでしまったのは、舞踊を見るには、やや失敗だった。プログラムは、ふたつ折り4ページのものを、入場の際に無料配布。

1.現代舞踊 (芙二三枝子舞踊団)
2.日本舞踊 (花柳千代舞踊団)
3.クラシック・バレエ (小林紀子バレエ・シアター)

の順に、それぞれが約45分ずつのステージで、主宰者の話(解説)とともに日頃の稽古の様子というかエクササイズの一部を実演して見せる。その後に(あるいは前後に)、舞踊作品も見せるという内容。

芙二三枝子舞踊団と花柳千代舞踊団の間に、目白三人の会の3氏によるお話コーナー(小林紀子氏が進行も兼ねるかたちで、最近の仕事にかける思いなどを順番に話した)が入り、小林紀子バレエ・シアターの前に、休憩が15分。終演は予定より少し遅れて、9時前になったが、これはお話コーナーが長くなったからだと思う。「舞踊への招待」というタイトルや、3氏のお話からも、舞踊の観客を増やしたいという目的もあってつづけている企画のようだ。


印象的だった作品は、子どもも踊った芙二三枝子舞踊研究所の「休み時間は終わらない」と、花柳千代構成で小、中学生5人による舞踊 長唄「雛の宵」。

また、目白小学校日本舞踊教室の子どもたちらによる、(花柳千代創案の)日本舞踊の基礎稽古の実演を、とても興味深く見た。こんなふうにして、子どもに日舞の基礎になる歩き方や、身体の使い方、扇の扱いなどを身につけさせるのか、と。子どもたちがうたいながらのエクササイズに外国の曲を採り入れるなどの工夫が、見ていて楽しいものになっていた。指導の花柳千代、花柳太郎の両氏が新国立劇場でも教えているからだろう、実演には、新国立劇場演劇研修所の研修生有志も参加していた。


小林紀子バレエ・シアターの実演では、付属のバレエ学校 小林紀子バレエ・アカデミーからプロフェッショナル育成のための「Sクラス」のジュニアグループ(中・高校生にあたる。週6日レッスン)が出演、生ピアノでのレッスン風景とパフォーマンス。

最後は、小林紀子バレエ・シアターによる「白鳥の湖」第2幕(オデット姫:島添亮子、ジークフリード王子:中尾充宏、悪魔ロットバルト:冨川直樹、他)。いやぁ、これ、よかったな。全幕見たくなっちゃった。・・・ということで、まずは、12月の小林紀子バレエ・シアター「くるみ割り人形」を見に行こう!と思ったのだった。

ま、私のようなフリの客がチケットを1枚ぐらい買ったとしても、どうということでもないのだけれど、とりあえず、ここにひとり、もっと見たい!と思った観客がいた訳で、そういう意味では、目白三人の会「舞踊への招待」の効果はてきめんにあったといえるのかな。