東京セレソンデラックス「あいあい傘」を観劇

先に、4月16日のエントリーで書いた、
http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20070416/p3

東京セレソンデラックス公演「あいあい傘」(作・演出:サタケミキオ)を観劇。

4月22日(日)、午後2時開演のステージ。

東京公演の千秋楽とあって、会場のシアターサンモールは、通路にぎっしりと補助席が並び、満員盛況だった。

入場の際に、チラシ類とともに配役表を配付。子役のふたりも配役にちゃんと載っていた。

公演プログラムは、1000円。
大判だが、袋に入っていたのが親切。が、プログラムを披いてみると、子役の紹介は、なし。キャストとしては名前は載っているが…。

はじめて見る劇団で、予備知識もなかったが、作・演出のサタケミキオという名前は、この舞台で主役を演っている宅間孝行氏のことらしい。


開演時刻の少し前になると、若いお兄ちゃんがふたり、なんとなく舞台に出て来て、掛け合いのように観劇のマナーをネタにした会話などするのが、オモシロイ。そのふたりの会話で、上演時間がどのくらいだとか、休憩はないということもアナウンスされる。


さて、「あいあい傘」。

幼い頃、父親に蒸発された娘の割り切れない心情と、その父親との再会話を軸にして、それを取り巻くひとたちの心模様を、テキヤの青年を中心にえがいた人情喜劇、といった内容。

過去の短いシーンを冒頭と最後に置き、その間にメインストーリーである現在のドラマを挟む構成。子役が出るのは、過去に当たる最後のシーンだけだが、そのシーンが、いわば「落ち」にもなっている。その「落ち」は、見方によっては無理がある気もするのだが、この終わり方が、芝居の後味をよくしてもいる。

場は、神社の参道付近というのか、店があったり縁日の露店が並ぶあたり。同じ場所で芝居が進み、セットが替わったりはしないから、登場人物の出し入れ(登・退場)がポイントになるが、それが上手く展開して、和製ウェルメイドといった感じの芝居になっている。笑わせどころも多い。たとえば、ローキックでやられちゃうのは、弱過ぎ(笑)。

最前列での観劇で、その醍醐味を楽しんだ。

「訳あり」の親子関係、とくに子ども側から親へ抱く感情については、いささか思うところもあった。が、これは結句、観客側のリアルな家族体験と関わって来ることだから、きわめて個人的なものだろうし、芝居の感想としても少数意見ということになりそうなので、とくには書かない。


過去のシーンでの、雨宮清太郎の子ども時代が、島綾佑くん。高島さつきの幼少期が、奈良麻莉亜ちゃん。
配役表で、それぞれ「少年」「少女」としか表記されていないのは、役名を書かないほうが、ラストでの劇的効果がある、という判断だろうか。

奈良麻莉亜ちゃんは、髪の毛を三つ編みにして、素足にサンダルだった。泣くのが、しどころ。黄色いレインコート(テキヤである雨宮虎蔵の、売り物)を着せてもらう。

プロフィールを見ると、島綾佑くんと奈良麻莉亜ちゃんは、同じ学年なのだね。奈良麻莉亜ちゃんは小さくて、4年生には見えないぞ。


シアターサンモールでの千秋楽とあって(?)、カーテンコールでは、役者紹介が付いた。といっても名前だけだが、子役のふたりも、紹介された。カーテンコールで引っ込むとき、奈良麻莉亜ちゃんが投げキスをしていた。

終演は、午後4時19分。


なお、次回の東京セレソンデラックスの公演は、今夏(7/11〜8/5)、シアターサンモールで、「歌姫」という芝居を再演する、とのこと。村川絵梨さんが出演する。