ジェーン・エア 9/26夜
9月26日(土)に、日生劇場で、ミュージカル「ジェーン・エア」を観劇。
夜の部で、午後5時開演。
ロビー表示の上演時間は、第一幕 1時間5分、休憩20分、第二幕 1時間30分。この回の終演は、午後8時4分頃。
子役の配役については、すでに書いたとおり。
http://d.hatena.ne.jp/kamuro/20090919/p1
9月26日夜の出演は、
ジェーン(10才): 佐藤瑠花
アデール: 角田萌夏
ジョン・リード/教会の侍者: 大鹿礼生
張り出し舞台で、舞台上の左右に階段状の客席が設けられているが、このステージ上の客席は、演技スペースとははっきり区分されていて、俳優が客席部分を演技等で使用することはないし、上演中は、通常の客席側から見てもあまり気にならないので、このステージ上の座席は、予想以上に良席だったのかも知れない。
舞台奥のセット下にオーケストラボックスがあるが、2階客席からでも楽団はほとんど見えない(かろうじて指揮者が見えるぐらい)。舞台端(舞台手前=客席寄りの左右)にセット下へ降りる階段があって、もぐらの穴みたいに、キャストが出入りする。
緞帳や幕は使われず、開演前、休憩中と舞台からは鳥の鳴き声など聴こえる。道具は少な目で、簡素なスペースを照明が彩って効果的に場面を作り出し、早い転換で見せるという演出。最近のミュージカルでは、照明や映像が担う役割りが大きくなっているが、この舞台でもそれは顕著だ。
このミュージカルは、ジェーン・エアが自らの半生を語るかたちで進行するので、冒頭から大人ジェーンが登場し、松たか子は、少女時代のシーンも含めてほとんど舞台上にいるから、文字通りに主役である。
子役のジェーンとアデールは、どちらも子役としてはウエイトのあるいい役だけれど、ジェーンはうたいどころの多さが見せ場なのに対して、アデールはうたわずに専らお芝居をするという役柄で、この対照が、おもしろい。また、ジェーンの子役には抑制した表現が必要なのに対して、アデールには劇中のひとり芝居やバレエっぽい振りなども含めて多重の演技が求められているのは注目点といえる。
所見の回は、『ジェーン(10才):佐藤瑠花、アデール:角田萌夏』という配役だったが、このふたりは、プログラムによるとどちらの役にもキャスティングされているので、役替わりしたところを見てみたいと思った(が、あと1回の観劇予定で、こちらの希望が適う可能性は少なそうだ…)。
私は、役として面白さは、アデールのほうにあると思う。
子役ジェーンもアデールもラストシーンまで出番があるので、終幕まで楽しめる。
子役ジェーンが、一幕で、健康に気をつけて死なないようにします、とかいうところが傑作だったな。
「ジェーン・エア」の最後は、彼女を厄介者扱いしていじめた伯母が死んで(あの従兄弟も死んだから)、その遺産が手に入り、お金持ちになるのだね。やったね! やっぱり、お金はそれなりにないと暮らせないもの。 ほら、「コースト・オブ・ユートピア」のゲルツェンだって、貴族に生まれて資産がたっぷりあったから、亡命先で優雅に活動出来た訳でしょう。
寄宿学校へ入れられた孤児が家庭教師になるって、アニー・サリヴァンみたいだ。「奇跡の人」では教え子が三重苦だけれど、「ジェーン・エア」では結婚相手の目が見えなくなる。
劇中に、謎というか隠された秘密があって、それがヒロインの運命と大きく関わって来るというミュージカルは、他にも「ウーマン・イン・ホワイト」とか「レベッカ」とかがすぐに思い浮かぶ。どちらも再演が決まっているし、ひとつの流れとも感じる。
-
-
-
-
-
- -
-
-
-
-