Strange Circus (奇妙なサーカス)



12月31日に、新宿で、映画「Strange Circus (奇妙なサーカス)」を見た。



晦日だったので、向かいの新宿コマ劇場前は、「年忘れにっぽんの歌」を見に来たらしい方たちが、長蛇の列を作っていた。



「Strange Circus (奇妙なサーカス)」は18禁映画だし、具体的な内容にはなるべく触れないが、「美津子(桑名里瑛)と小百合(宮崎ますみ)」と「妙子(宮崎ますみ 二役)と雄二(いしだ壱成)」と題されたふたつのストーリーを「奇妙なサーカス」というイメージで包むようなつくりになっている。「美津子と小百合」でえがかれる両親と娘の3人の関係と修羅場が「妙子と雄二」では女流作家が書いた小説の世界になっているのだが、果たしてそれは作家の自伝なのか、否か。自伝だとすれば、その記憶は正しいのか…。エロ・グロのなかに錯綜する虚実に、眩惑される。



美津子が着ている服は黒が多く(ソックスもずっと黒)、黒でなければ白い服で、そのコントラストが強い印象を与え、加えて、作品全体に血とそのイメージの赤い色が強調される。



美津子を演じる桑名里瑛嬢は、とても魅力的だ。おそらく、女の子としていちばんかわいい時期に、この映画は撮られたのだろう。ナレーションも担当している。こんな映画に出てしまっていいのか、とも思ったりするが、そんな危惧を超える見事な存在感と美しさがある。

(こう書くと語弊があるかも知れないが、2005年10月の舞台「KAKURENBO かくれんぼ」よりも、この映画のほうに、子役としての「旬」があると思う)



難をいえば、後半がやや退屈。グロテスクなシーンが少なくないので要注意。



パンフレットが、500円(オールキャスト・スタッフが掲載されている優れものだ)。