ジキル&ハイド (日生劇場)初日



12月4日は、国立劇場で歌舞伎を楽しんだあと、雨の中を日比谷へ。



日生劇場で「ジキル&ハイド」の初日を観劇。

チケットは、2日前に、帝劇窓口で購入したB席。



公演プログラムは、1500円で販売。



初日で関係者が多かったのか、ミュージカルにしては男性客が目立つ客席だった。



午後7時開演。



何にも増して、タイトルロールの鹿賀丈史の歌唱が、圧巻。とくに、メインナンバーの「時が来た」のすごい迫力に、この1曲を聴くだけでも、劇場に足を運んだ甲斐があったといえる。「時が来た」のうたの最後で、半身に構えて、波打つ右手の動きも健在だ!



ジキル博士の薬の実験に反対した連中に、ハイドが次々と報復して行く。一連のシーンから感じるカタルシスがたまらない魅力だ。「煽情的な照明」とは、まさにこれか、と思うようなどぎついカラーのライティングが、ハイドの跳梁を彩る。



鈴木蘭々のエマは、芯の強いお嬢さんというだけでなく、大人の女性らしい雰囲気があってよかった。うたも上手かった(が、一部で、裏声と地声の遣い分けが曖昧、というか不安定なところが少し気になった)。



石川禅アターソンの演技がコミカルなほうへ振れていて、軽い感じに映る。ジキルの友人として、また弁護士としても、誠実さがあまり見えず、だから、二幕では、研究室でジキルに向かっていうセリフが押しつけがましく聴こえた。

前回(2003年1月)公演での池田成志アターソンが、誠実そのものだったこともあり、どうもしっくりしなかった。





初日とあって、カーテンコールには、演出の山田和也、作曲をしたフランク・ワイルドホーンの両氏も登場。通訳を伴ったワイルドホーン氏は、いままで見た「ジキル&ハイド」のなかでも最高のもののひとつ、とカンパニーに賛辞を贈った。



主演の鹿賀丈史氏から、あいさつに加えて、「まだ残券があるので、宣伝して下さい」とPRも。



拍手がつづき、何度もオールキャストが舞台に登場したカーテンコールが終わったのは、午後10時を若干回った頃であった。