初日、田村正和に酔いしれた。
7月1日付読売新聞夕刊(東京)に、7月新橋演舞場公演「新・乾いて候 そなたもおなじ野の花か」の一面広告。カラー。
上半分に、5月30日に行われた会見からの田村正和氏インタビューと、新橋演舞場リニューアルについて。
さっそくながら、この舞台の初日を観劇した。
客席は、二等席に空席があったが、他は、おおむね埋まっていたと思う。
新橋演舞場リニューアル開場の初日ともあってか、劇場ロビーには「背広組」が目立った。
ロビーが落ち着きのある、一流の劇場らしい雰囲気に生まれ変わっていた。エスカレーターの設置云々よりも、ロビーの様変わりに、びっくりである。ただ、新装されたロビーは、薄暗いので、私は以前のほうが好み。
座って食事など出来る椅子やテーブルなどなども新しく。
3階のそば処、かっぱや、カレー屋はなくなった。ただし、そばとおでんは統合されて、2階で食べられるようだ。
地下2階の食堂は、軽食中心に新装。
飲み物の自動販売機は2階で、ペットボトルのものを販売。
土産物などの売店も、1、2階にシンプルにまとめられていた様子。
さて、昼の部のタイムテーブルは、11時30分開演で 3時15分終演。[追記、7月13日には、終演は 3時になっていた] (全三幕。30分、25分の休憩あり)
主要キャストは2年前とほとんど同じということもあり、初日ながら完成度の高い見ごたえのある舞台だった。
前回公演では若づくりがいささか辛く感じた平淑恵さんも、無理なく見えたし、金田龍之介さんの余裕ある悪役ぶりに、こくがあって楽しい。商業演劇のなかでは異質さが新鮮で、インパクトのあった千葉哲也さんだが、今回はより舞台にとけ込んで、上手さを感じさせた。
演出面で前回とはっきり変わったのは、第一幕の「黄泉の国」の場面。前回公演では、光る刀での立ち回りだったが、今回は別趣向に。
ストーリー的には、いくらでも難癖がつけられる作品だが、「田村主丞(もんど)」の創り出す虚構の美に酔うというのが、この舞台の、(いまさらいうまでもない)正しい鑑賞法である。田村主丞の流す涙を生で見られるのもまた、舞台ならではの贅沢というものだろう。
クライマックスの大殺陣は、流麗にして凄絶。まさに極め付け。
公演プログラムは、1300円で販売。
(なお、2003年の新橋演舞場公演観劇後に書いた雑感は、ここ に)