今月明治座の舞台は、芸術座と歌舞伎座の演目を意識したのかな?
明治座で上演中の「日本橋物語2 恋しぐれ」は、女流作家 長谷川時雨を主人公に、その恋や、大正文壇の人間模様をえがいた舞台のようだ(観劇予定はまだ先なので、あくまで、プログラム等からの印象)。
時雨(三田佳子)のほか、三上於菟吉(榎木孝明)、林芙美子(水谷八重子)、六代目尾上菊五郎/直木三十五(菅野菜保之)、宇野浩二(山下規介)、他にも、吉屋信子、平林たい子、広津和郎…。
錚々たる登場人物である。
この3月は、芸術座で林芙美子を主役にした おなじみ「放浪記」が、歌舞伎座では六代目菊五郎の孫に当たる新・勘三郎の襲名興行が行なわれている。
商業演劇ファンなら、林芙美子を世に出した「女人芸術」の主宰者 長谷川時雨とはどんな人物だったろう、六代目菊五郎のあたり狂言を書いた女流作家とはどんなひとか、との興味で、足を運んでみたくなる芝居ではあるまいか。
あるいは、森光子、水谷八重子という大女優ふたりが、別作品でそれぞれに演じる林芙美子像の見較べもまた面白そうだ。
もしや、二劇場での「放浪記」と勘三郎襲名とを意識しての企画なのかと うがってみたくなるジェームス三木脚本・演出。
さてさて、真相は、いかに?
ちなみに、子役(堀川裕生・福谷亮弥)が幼少期を演じる長谷川仁は、時雨の甥。